楽天のレディースファッションジャンルで“売れる店舗”になるための課題と具体的な戦略

楽天のレディースファッションジャンルで“売れる店舗”になるための課題と具体的な戦略

楽天市場でレディースファッションを取り扱う店舗様の多くが

「価格競争が激しすぎて利益が出ない」
「トレンドが移り変わるのが早く、在庫が不良在庫になってしまう」
「写真やレビューで差別化しきれない」

といった悩みを抱えています。

特にアパレルは、他ジャンルと比べてSKU数が多く、サイズ・カラー展開の管理も複雑。一方で、写真の見せ方・レビューの印象・季節による動きなど、日々の細かな要素が売上に直結します。

そして最近では、SNSでのコーディネート投稿や着用動画が購買を左右するようになっており、楽天市場内だけの対策では不十分になりつつあるのも現実です。

ではどうすれば、「大量出品+価格勝負」の運営から脱却し、選ばれる店舗・選ばれる商品になれるのでしょうか?

今回は、レディースファッションに特化して、

  • 楽天市場内で売れる仕組みの作り方
  • トレンドを追いつつも在庫リスクを抑える考え方
  • SNSと楽天を連動させて“指名買い”される導線の作り方

まで、実践的に解説していきます。

記事の目次

1. 楽天市場×レディースファッションの現状と課題

楽天市場は、レディースファッションカテゴリにおいても巨大な販売チャネルのひとつです。検索からの導線、ポイント制度、イベント販促など、購買促進の仕組みは非常に整っており、ユーザー数・流入数ともに圧倒的なボリュームを誇ります。

しかし一方で、参入障壁が低く、多くの競合店舗がひしめき合っているのも事実です。このジャンルに特有の悩みや落とし穴も多く、きちんと戦略を立てなければ、出品数や広告を増やしても思うように成果が出ません。

1-1. 競争環境の特徴:ブランド力 or 価格勝負の二極化

楽天市場のレディースファッションカテゴリーでは、有名アパレルブランド(例:fifth、Pierrot、titivate や、Rakuten Fashionなど)と、無名ブランド・セレクトショップが混在しています。

この中で勝ち抜くには、以下のいずれかに進む必要があります。

  • ブランド力で勝負する店舗
     → SNS・コーデ発信・オリジナル性で指名買いを増やす
  • 価格で勝負する店舗
     → 単価を落として利益薄でも回転率で売上を確保

しかし後者は、利益を削って広告費もかけ、最終的に体力勝負に陥るケースがほとんどです。中小・個人店舗にとっては、価格勝負ではなく「選ばれる理由を作る」ことが必要不可欠です。

1-2. レディースファッション特有の課題

レディースアパレルには、他ジャンルにはない複数の構造的課題があります。

課題①SKU数が多く、在庫管理の負担が大きい

色・サイズ展開があるため、1型の商品でも数十SKUになるのは当たり前。しかもトレンド商品の場合、売り逃すとすぐ不良在庫になります。

課題②トレンドのサイクルが短く、見極めが難しい

SNSやメディアの影響で、「売れる型」の寿命が短くなっており、仕入れ・ページ作成・撮影などのスピードが求められます。

課題③返品率が高い

「サイズが合わなかった」「色のイメージが違った」といった理由での返品が多く、特に初回購入ユーザーにおけるリスク管理が必要です。

課題④購入の決め手が曖昧になりがち

型番商材のように「機能」「価格」で選ばれるわけではなく、“雰囲気”や“感覚”に左右されやすいぶん、ページ設計に明確な戦略が求められます。

1-3. 「売れない」理由の多くは、戦略設計の欠如

  • なんとなく可愛いから作る、仕入れる
  • 商品数を増やせば売れると思っている
  • 安く出せば勝てると思っている

これらはすべて、在庫・利益・時間を浪費する原因になりやすい考え方です。

楽天でファッション商材を成功させるには、「誰に何を、どんな価値として届けるのか」を明確に設計し、その戦略に基づいて、ページ・楽天内広告・販促・SNSすべてを連動させることが不可欠です。

2. 売上を伸ばすための基本戦略

楽天市場でレディースファッションを売るには、“商品を並べて広告をかける”というやり方だけでは限界があります。

重要なのは、誰に・何を・どう見せるかを設計し、それを軸に運営全体を整えること。ここでは、利益を生む売上につなげるための5つの基本戦略を解説します。

2-1. 「誰に」「何を」売るかを明確にする(ペルソナ設計)

レディースファッションは「全世代・全タイプ」の需要があるため、ターゲットを曖昧にすると埋もれます。売れている店舗の多くは、「特定の層」に絞ってブランドを作っています。

ターゲット設定の例
  • 30代主婦の“きれいめ×着回し重視”通勤服
  • 20代前半の“韓国風×トレンド先取り”プチプラコーデ
  • 40代女性の“体型カバー×上品”ナチュラル服

ターゲットを絞れば、商品のテイスト、モデルの選定、ページコピーや撮影の雰囲気、SNSでの発信内容等のすべてが一貫し、「この店、自分に合ってるかも」と思わせることができます。

2-2. 転換率を上げる商品ページの構成鉄則(スマホ・ビジュアル中心)

楽天市場の購買行動は、スマホユーザーによる“直感的な判断”がほとんどを占めます。特にレディースファッションでは、スペックや価格だけではなく、「自分に似合いそう」「イメージと合っている」と感じられるかどうかが、成約に直結します。

つまり、楽天における商品ページで最も重要なのは、写真のクオリティと情報のリアルさです。

①ファーストビューは「着用感+言語化された価値」

商品ページに訪れたユーザーが最初に見るのは、1枚目の画像とそのキャッチコピーです。ここでは、「この服、なんかいいかも」と思わせる演出が求められます。

  • 1枚目画像は“使用シーンが想像できる”写真+機能性を言語化したコピー
     例:「これ1枚で体型カバー&上品見え」「洗えるニットで冬の毎日が快適に」

②コーディネート・使用シーンの提案は「想像→納得→購入」の導線を作る

1アイテムだけで見せるのではなく、実際のコーディネートや着回し提案を載せることで、ユーザーが「どんな風に使えるか」を具体的にイメージできるようになります。

  • 同じアイテムを使った3〜5通りのコーデ提案(季節別・用途別)
  • 室内/屋外/通勤/お出かけ などシーン別の撮影
  • バッグ・靴・小物と組み合わせた全身提案(特に小物のバランスは重要)

こうした「自分が着た時の未来」をイメージさせる写真や構成は、転換率の向上に直結します。

③【重要】身長別・体型別の着用例が“購入の決め手”になる

「モデルが着てると素敵だけど、自分に合うのかな?」というユーザーの不安を払拭するには、身長別・体型別の着用写真+コメントが最も効果的です。

  • 150cm/160cm/170cmのスタッフによる着用写真
  • 骨格ごと(ウェーブ・ストレート・ナチュラル)のスタッフによる着用写真
  • それぞれのサイズ感や丈感、着心地の感想をコメントで掲載
  • 商品のシルエットがしっかり伝わる角度(正面・横・後ろ)で撮影

これにより「この人と体型が似てる、自分もいけそう」と安心してもらえ、購入率と満足度の両方が向上します。

④サイズ説明は「平置き寸法」+「着用感コメント」の両方で

楽天においては、サイズ表記は「平置きの数値」だけでは不十分です。以下を併記することで、返品リスクを大きく減らせます。

  • 身長別のおすすめサイズ(例:「160cm普通体型でMがジャスト」)
  • ストレッチ性/裏地の有無/厚みなどの補足情報
  • 「ゆったりめ/ぴったり/肩が少し落ちる」などの感覚的な表現

スタッフのリアルなコメントやお客様レビューを引用するのも有効です。

画像がどれだけオシャレでも、商品説明が簡素・無機質だと購入に至りません。反対に、説明文が充実していても、画像がわかりづらいと離脱されます。

重要なのは、「この服を着たら、こうなれる」というイメージと機能性を、ページ全体で一貫して伝えること」です。

要素効果
コーディネートの提案実用性・着回し力のイメージ→購買動機に直結
身長別の着用写真「自分と似た体型の人」の写真で安心→返品防止
使用シーン別の撮影“生活に溶け込むリアリティ”→CVR改善
スタッフコメント商品説明では伝えきれない「体感値」→信頼感UP

2-3. トレンド対応+定番在庫のバランス戦略

トレンド重視だけでは在庫リスクが高く、定番だけではリピーターはいても新規が獲得しにくい。大切なのは、この2つのバランスです。

おすすめは、「年間を通じて売れる定番アイテム+季節限定トレンド枠」の構成です。

  • 通年定番 → テーパードパンツ、シンプルなニット、マキシスカート(この店と言ったらこのスカート!のようなイメージ)
  • 季節トレンド → シャギー素材、ボリューム袖、チェック柄、トレンドカラー etc

「トレンドは仕入れを抑えてフロントに見せ、定番で利益を取る」設計を目指しましょう。

2-4. リピーター施策で利益体質をつくる

リピーターは、広告費ゼロ、購入単価が高くなる傾向、レビューや紹介をしてくれるという意味で、最も利益に直結する存在です。

  • LINE公式アカウント:再入荷・新作情報を配信、サイズ質問などにも対応可
  • 同梱チラシ:次回使えるクーポン、コーデ提案冊子で購入意欲UP
  • ステップメール:購入後の着用アドバイス→関連アイテム提案→レビュー依頼という流れ

「売って終わり」ではなく、「また買いたい」をどう作るか。それが、広告費に頼らない利益体質の鍵です。

また、新商品入荷の頻度が高い店舗は、リピーターのアクセスが多い傾向があります。上位店には毎日新商品をリリースしている店舗もいます。最低でも半月~月に1回は新商品を入荷出来る状態を作るようにしましょう。

2-5. SNS連動でブランド価値と購入導線を強化

レディースファッションとSNSは非常に相性がよく、“楽天だけで売る”時代はすでに終わりを迎えています。

特にInstagram・TikTokでは、コーディネート紹介、リール動画による着用感のリアル共有、フォロワー限定クーポン→楽天へのリンク誘導など、購買のきっかけを作る仕掛けが豊富です。

楽天市場とSNSをつなぐことで、

SNSはあくまで導線。そこで共感・信頼を得てから、楽天で購入される、そんな流れを作れる店舗が、今後のファッションECの主流な集客の流れになります。

目的SNS活用法効果
新規集客コーデ動画投稿、商品着用写真指名検索増・店舗認知
リピーター育成LINE・Instagramのストーリーズ・ライブ配信ファン化・再購入促進
返品率削減SNSでのサイズ感共有、Q&Aライブ購入後のギャップ防止
  • Instagram:ターゲット層(20~40代女性)と親和性高/コーデ訴求◎
  • TikTok:10〜30代向け/短尺動画で「買いたくなる」衝動を刺激
  • LINE公式:再入荷通知・定期便誘導・個別接客に最適

3. 楽天施策の最大活用法

楽天市場には、出品した商品を「見つけてもらい、選んでもらう」ための独自施策が数多く存在します。レディースファッションのように競合が多いカテゴリでは、これらの仕組みを活かせるかどうかで売上が大きく変わります。

楽天市場で成果を出すために必須の4つの施策と、SNSとの連携による相乗効果について解説します。

3-1. 楽天SEOで「まず見つけてもらう」設計

楽天内での自然検索結果の上位に商品を表示させるには、楽天独自のSEOアルゴリズムに対応したキーワード設定は必要最低限でやるべき事です。

楽天SEOで重要なのは以下の3点

  • タイトル・キャッチコピーに検索キーワードを自然に含める
  • 商品説明文・画像altにもキーワードを含める
     Google検索にもひっかかるよう、商品ページ全体で統一した表現を
  • レビュー・販売実績の積み上げ
     楽天は“売れている商品を上に出す”ロジックです。また、レビュー内のキーワードもSEO対策としては有効になります。

キーワード選定では、楽天のサジェスト(検索窓の候補語)や、ランキング常連商品のタイトルを参考にすると精度が上がります。

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3-2. RPP広告の最適運用(集客と利益のバランス)

RPP広告(Rakuten Promotion Platform)は、楽天内検索や商品一覧に自店舗の商品を表示できる広告です。
レディースファッションのように競合が多いジャンルでは、新商品や露出の少ない商品を“見つけてもらう”ための必須施策です。

ただし、闇雲に出稿しても赤字になるだけなので、下記ポイントを押さえておきましょう。

出稿商品のポイント
  • 利益率の高い商品・セット商品に集中投資
  • レビュー数が一定以上ある商品を優先(CVRが高まる)
  • ロングテールキーワードの発掘

CPA(1件あたりの獲得コスト)が高すぎる商品には見切りをつけ、広告費の“回収できる範囲”を見極めることがカギです。

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3-3. スーパーSALE・お買い物マラソンの実戦型活用法

楽天市場のイベント(スーパーSALE/お買い物マラソン)は、通常期の数倍のアクセスが集まる絶好の販促チャンスです。
レディースファッションジャンルでは、このタイミングでの“見せ方と仕掛け”が、明暗を分けます。

①イベントは「売上のブースト」ではなく「新規の種まき」

昨今、楽天イベントは、新規ユーザーが“安くて良さそうな商品を探す場所”になっています。この層に向けて、「1回試してみようかな」と思わせる仕掛けが重要です。

ただ、イベントに「参加するだけ」では埋もれてしまうため、以下のような設計が必要です

  • イベント期間中のポイント変倍・限定クーポンの設定
  • タイムセール枠や“スーパーSALEサーチ”へのエントリー
  • まとめ買い提案(2点目半額、3点以上でクーポンなど)で客単価UP
  • レビュー獲得施策との連動(イベント中に購入→レビューで次回クーポン)

イベント後のリピート導線(公式LINE、メルマガ配信、購入後のステップメール)もセットで設計しておくことでが必須です。

②イベント成功のために設計すべき5つの要素を意識

項目内容ポイント
① 専用LP・特集ページまとめ買いやセット提案を視覚的に設計「今このイベントで買う意味」を明確に
② タイムセール/目玉商品設計一定時間ごとに注目アイテムを集中露出アクセスと回遊を同時に促す
③ スーパーSALEサーチ対策半額商品や20%オフで上位表示を狙う割引率の設定+価格実績ルールに注意
④ ポイント・クーポン施策SPU+独自ポイント変倍+クーポンの掛け算買う動機を最大化させる仕組みづくり
⑤ レビュー獲得導線イベント中に売った商品に特典付きレビュー依頼イベントで“売って終わり”にしない工夫
⑥LINE友達追加今すぐ使えるクーポン等で追加を促すリスト増加と購入の2側面からアプローチ

③イベント終了後が重要!リピーター育成の基本3ステップ

イベント施策は、「売って終わり」にしてしまうと、ただの一過性の売上で終わってしまいます。むしろイベント後こそが、次の成果につながる“本当の勝負所”です。

楽天ユーザーの大半は「ポイントでとりあえず買ってみた」というライトな初回接触です。この層をどうリピーター化し、LTVを最大化していくかが、ファッションジャンルでは特に重要です。

ステップ施策内容目的
① 購入直後お礼メール・LINE登録誘導・レビュー依頼感謝+継続接点のきっかけづくり
② 数日後(商品到着前後)ステップメールで着こなし提案・サイズ感Q&A不安解消・満足感アップ
③ 1~2週間後「関連アイテム」の提案・次回使えるクーポン配信再購入への動機づけ
ファッションジャンルに特化した実用フォロー施策例
  • LINE公式アカウントで、再入荷・新作情報をセグメント配信
     → 「自分が買ったトップスに合うスカート特集」など“あなた向け感”が重要
  • 同梱チラシでブランドの世界観とコーデ提案を継続
     → 楽天の商品ページだけでは伝えきれない“ブランドの雰囲気”を補完
  • レビューを書いた人にだけ、次回10%オフクーポンを配布
     → 投稿→再訪→再購入という動線を仕組み化

イベント売上を「資産」に変えるために

  • 単発の売上で終わらせない
  • レビューとメルマガ・LINEを“接点データ”として残す
  • 次のイベントでは「リピーター施策」に切り替える

こうした流れを設計しておけば、イベントのたびに「売る」だけでなく「育てる」ことができ、ストック型の収益モデルが構築できます。

楽天イベントは、新規を集め、リピーターを育て、未来の売上を作る“循環の起点”です。単なる割引勝負や広告消化で終わらせず、しっかりと“育てる設計”まで仕込んでおくことが、今後の成長を大きく左右します。

3-4. 価格競争に巻き込まれない「理由ある価格設計」

レディースファッションでは、「似たような商品」が大量に並ぶため、つい価格を下げがちです。しかし、価格勝負は際限なく消耗するだけで、資金・人手・ブランド力に劣る中小店舗ほど不利になります。

そこで必要なのが、「納得できる価格」=選ばれる価格の作り方です。

①“安さ”ではなく“価値との釣り合い”を見せる

「他より高いけど、これを選んだ理由がある」という状態を作れれば、無理に価格を下げる必要はありません。

価値を伝えるためにやるべきは

  • 着用感・素材感がわかる写真を10枚以上掲載
  • コーデ提案と使用シーンをセットで提示
  • 実際の使用者のレビューやスタッフの着用コメントを多数掲載
  • 同価格帯商品との違いを明文化(「裏地あり」「家庭洗濯OK」「ポケット付き」など)

②「価格の裏付け」を明確に言語化する

価格には説得力が必要です。たとえば、

  • “低価格なのに高見え” → 「シワにならないジョーゼット素材」「裏地付きで1枚でも安心」
  • “ちょっと高いけど納得” → 「日本製/手洗い可能/着痩せシルエット設計」など、細部の違いを言葉にする

これらを商品名・キャッチ・画像に一貫して配置することで、価格に“意味”を持たせられます。

③ファッションこそ「価格 × 世界観 × 顧客体験」で売るべき

価格は単なる数字ではなく、

  • 世界観と整合性があるか?
  • ページを見て“これでこの価格は納得”と思わせられるか?
  • 自分にとって「価値のある買い物」に見えるか?

を決める重要な設計要素のひとつです。

価格で負けない店舗は、単に安いか高いかではなく、「欲しいと思わせる理由」を可視化する努力を徹底しているのです。には理由がある」と思わせるページ設計・言語化・着用イメージがあれば、価格に頼らなくても選ばれるようになります。

3-5. モール施策とSNS発信の連動で“指名検索”を増やす

モール内での売上を最大化するには、SNSからの指名検索を増やすことが鍵になります。

InstagramやTikTokで「この服可愛い!楽天で買える?」と思わせる投稿を継続することで、楽天内検索で直接商品名・店舗名を入れて探してくれるユーザーが増えます。

モール外(SNS)とモール内(楽天)の“流れをつなぐ”ことが、今後のECでは必須になります。

4. 成功/失敗事例とその分岐点

レディースファッションは、「感性」と「設計力」が両方求められる難しいジャンルです。商品は良いのに売れない、広告はかけているのに利益が残らない――そんな悩みを抱える店舗は少なくありません。

ここでは、実際に楽天市場でよく見られる成功事例・失敗事例を比較し、その“明暗を分けた分岐点”を整理していきます。

4-1. 成功事例:「選ばれる理由」を設計したD2C型ブランドのケース

30代女性向けのきれいめカジュアルを扱うA社は、もともとはInstagramを中心に活動していたD2Cブランドでした。楽天出店当初は競合に埋もれてアクセスも伸び悩んでいましたが、以下のような戦略を徹底することで、半年で売上5倍、リピート率25%超えを達成しました。

成功のポイント
  • ペルソナ設計を徹底:「30代女性」「保育園の送迎にも着られる上品×楽ちん」を軸に商品・コピー・画像すべてを統一
  • 商品ページの作り込み:身長別着用例、コーデ提案、Q&A型のサイズガイドを完備
  • SNS×楽天連動:Instagramで“着回し動画→楽天リンク”という導線を設計し、イベント時に流入を最大化
  • イベントで新規を獲得し、LINEで再接点を設計:レビュー投稿率も高く、自然とCVRも向上
  • レビューには丁寧に返信、ユーザーとの関係性を重視:店舗のファン化に成功

「この価格なら、このお店で買う理由があるよね」と指名買いされる状態を構築できたことが、最大の勝因です。

4-2. 失敗事例:「とりあえず出せば売れる」と思っていた店舗のケース

こちらは、若い女性向けに“体型カバーもできるきれいめワンピース”を扱うレディースアパレル店舗でした。楽天の競合他社よりも商品力に自信があり、素材やシルエットへのこだわりも強く、価格も手頃。にもかかわらず、出店から8ヶ月で売上は月商30万円台で頭打ち。広告費だけが膨らんでいきました。

当初、商品ページにはすでにプロの写真・明るいモデル・見栄えのよいレイアウトも用意しており、「なぜ売れないのか分からない」状態に陥ったのが最も大きな問題でした。

失敗の要因
  • 思い込みで“作っただけ”のページ
    写真はきれい、でも「誰が、どんなシーンで着るのか」が伝わらない。
    コーデ提案も「とりあえず無難に」撮影したもので、着用イメージを膨らませる工夫がなかった。結果、商品ページは完成しているのに、ユーザーの“買う理由”がどこにも存在しないという状態に。
  • 認知不足を“広告”だけで解決しようとした
    売れない原因を「露出不足」と捉え、RPP広告を月5万円分投入。しかし楽天SEO設計もレビュー対策も不十分なまま広告だけ打ったため、クリック→離脱→無反応の連続。広告CPAは6,000円を超え、1着売るのに赤字という事態に。
  • 新規獲得後の導線がゼロ
    イベントでたまたま買ってくれた新規ユーザーにも、その後のフォローメールやLINE配信、同梱チラシの作成まで手が回らず、そのままになっており「また買いたい」と思われても再訪手段が存在しなかった。

このように、「商品力はあるのに売れない」店舗に共通する落とし穴として、新規獲得を「売上」と捉え、LTVを見ておらず、商品自体にこだわりがある分、説明不足に気づいていないケースが多いです。

弊社のサポート開始後、以下の点を重点的に改善

  • ペルソナとキーワード設計を見直し、「誰に向けた商品か」が明確なコピーとビジュアルに統一
  • モデル着用写真の追加・身長別のサイズコメント・コーデ提案の導入
  • レビューキャンペーンの実施と、LINE登録による再購入導線の構築
  • 広告投資対象を“売れる仕組みが整った商品”に限定し、ROAS・CPAを適正化

改善から約2ヶ月、売上は20%増加、広告CPAも40%削減レビュー数の増加とLINE登録者の獲得によって、次回イベントでは「リピーター施策」も同時展開できる体制が整いつつあります。

まだ道半ばですが、「商品力はあるが売れなかった店舗」が、“設計された売れる店舗”へと生まれ変わろうとしている過程です。

4-3. 明暗を分けた“決定的な違い”

項目成功店舗失敗店舗(現在改善中)
商品力平均的な価格帯・高すぎない品質だが、ターゲットに最適化素材やシルエットに自信あり、高コスパだったが伝わらず
ペルソナ「30代主婦・通勤・体型カバー」まで絞りきって設計想定はしていたが、ページや訴求に反映されていない
商品ページ着用感・サイズ別モデル・着回し提案・使用シーン明記モデルはいるが、写真の量・構成ともに“伝える”意識が不足
楽天SEO・検索対応キーワード設計とレビュー強化で上位表示を実現検索ワードの工夫なし、レビューも少なく表示順位が低迷
SNS連動Instagramで着用動画・コーデ→楽天リンク誘導導線ありSNSアカウントはあるが活用せず、モール外導線ゼロ
イベント戦略トライアル商品→LINE誘導→レビュー→再購入を設計割引のみで終わり。レビュー依頼もフォロー導線も不在
RPP広告運用CVRの高い商品・レビュー付き商品に集中投資商品力を信じて闇雲に広告投下→高CPAで赤字
購入後導線サンクスメール、同梱チラシ、LINE友達追加誘導買ったきり放置。リピート導線・再訪手段がない
ブランド感コンセプト・トンマナ・写真に一貫性あり、指名買い多数商品名・画像に統一感がなく、価格比較で不利になりやすい

どちらのケースも、取り扱っていた商品自体は大きな差はありません。明暗を分けたのは、「誰に」「どうやって」「どこまで設計するか」という戦略レベルの違いです。

レディースファッションは、ただ商品を並べるだけでは売れないジャンル。だからこそ、売るための導線・世界観・購入後の体験まで、一貫して設計できるかどうかが勝敗を決めます。

5.レディースファッションジャンルの売上アップ戦略でよくある質問

楽天でレディースファッションを取り扱う店舗様から、よくいただく質問についてまとめました。ご参考ください。

写真や商品ページには力を入れているのに、なかなか売れません。何が原因でしょうか?

「誰に何を伝えるページか」が明確でないケースが非常に多いです。

きれいな画像を載せていても、“誰向けか”が曖昧だったり、着用シーンが見えなかったりすると、ユーザーは比較対象として通り過ぎてしまいます。

  • ファーストビューに「誰のための商品か」が明記されているか
  • コーデ提案・サイズ感の情報が購入判断に十分な材料になっているか
  • 価格や機能だけでなく、「これが欲しい」と思わせる理由があるか

商品力があるならなおさら、「その良さが伝わっていない」可能性を疑ってみてください。

RPP広告をかけているのに売れません。出稿はやめた方がいいですか?

仮にページが売れる状態に整っていなければ(例えば転換率が1%を切っている等)、広告は“出すほど損”になる可能背も。

RPP広告は「見つけてもらう手段」であり、「買ってもらう仕組み」が整っていないとクリック損失にしかなりません。まずは広告対象の商品ページを見直しましょう。

改善ステップ】

  • その商品にレビューが1件以上あるか?
  • ターゲットに刺さるキーワードが商品名・キャッチに含まれているか?
  • 初めての人でも「着用感」「サイズ感」「使用イメージ」が伝わるか?

出稿すべきなのは、売れる確率が高いページからです。広告は“最後にかける加速装置”と考えてください。

楽天イベントではそこそこ売れるのに、普段は売上がガクッと下がってしまいます。

イベント後の“顧客育成”と、通常時の“検索設計”ができていない可能性があります。イベントで獲得した新規を、そのまま放置していませんか?
また、普段の検索で見つけてもらえるキーワード設計やレビュー集めは十分でしょうか?

【対策】

  • イベント後のフォローメールやLINE誘導を必ず設計する
  • SPU・楽天SEOを意識した通常運営を見直す
  • レビュー獲得キャンペーンを活用し、信頼性を蓄積する

楽天イベントは「新規の入り口」、通常時は「関係を育てる時間」。この両輪がうまく噛み合えば、売上は安定します。

トレンドの移り変わりが激しくて、何を仕入れるか迷います…

トレンド100%ではなく、“売れる型”の構築と在庫回転率の設計がカギです。

売れるたびにトレンドを追いかけると、在庫リスク・販促の手間・ページ構成がすべて都度変わるため、効率が悪くなります。

通年売れる「鉄板型」(例:シンプルなパンツ、ベーシックなシャツ)を在庫の軸にトレンドは“見せアイテム”として少量展開し、集客やSNSでの話題性に活用。既存商品でも、写真やコピーの刷新だけで“今風”に見せる工夫を行いましょう。楽天では「売れる型+売れる見せ方」を構築する方が、長期的な安定に繋がります。

InstagramやTikTokをやっても売上に繋がりません。意味ありますか?

SNSは「今すぐ買う人」ではなく、「次に買う人」の信頼をつくる場です。楽天との連動を前提にしないと、SNSは“自己満足”で終わってしまいます。

【ポイント】

  • 投稿に楽天リンクを入れる(例:「プロフィールに商品リンクあり」)
  • 楽天と同じ世界観の写真・コピーを使って指名検索を狙う
  • SNSで共感を得て、イベントや新商品のタイミングで楽天に送客する

SNS単体で売上を狙うのではなく、「楽天で指名買いしてもらう流れをつくる」ことが本質です。

6.ファンクションが運営サポートできること

楽天市場でレディースファッションを販売するというのは、単に商品を登録して広告をかけるだけではありません。「誰に」「何を」「どう伝え」「どう再購入につなげるか」──すべての流れを戦略的に設計し、実行していく必要があります。

私たちは、こうした“売れる構造”をゼロから一緒に作り上げるパートナーとして、多くの楽天店舗様をご支援しています。

6-1. よくあるご相談内容

実際に私たちがサポートしてきた中で、こんなお悩みを多く伺っています

  • 写真やページには力を入れているのに、なぜか売れない
  • トレンドの読み方や在庫リスクの考え方に自信がない
  • イベントは売れるけど、普段の売上が安定しない
  • SNSやLINEの活用がうまくできず、新規が定着しない
  • 商品数が多く、どこに注力すべきか判断ができない

これらはすべて、“店舗のせい”ではなく、戦略設計やリソース配分の課題です。私たちは、そうした“もやもや”を整理し、数字と現場感の両方から最適な道筋をご提案しています。

6-2. 私たちのサポート範囲(レディースファッション特化)

私たちの強みは、ファッション特有の感覚的な世界と、楽天の構造的な運営ノウハウの両方を理解した上での支援ができる点です。

以下のような支援を、必要な部分からカスタマイズしてご提供しています:

カテゴリサポート内容
商品戦略・ターゲット設計・売れる“型”を明確にした商品戦略の設計
・ターゲット整理と打ち出し方の明確化
・無駄なSKU・在庫リスクの見直し
商品ページ改善・1枚目画像のキャッチコピー設計
・コーデ提案の構成案/撮影方針アドバイス
・身長別サイズコメントの整備
・レビュー対策/競合比較に勝つ訴求要素の抽出
楽天内施策の運用・最適化・楽天SEO設計(タイトル/キャッチ/説明文)
・RPP広告の適正化(CPA改善・除外ワード設計)
・スーパーSALEサーチ申請支援や
・イベント特設LP・クーポン設計/活用サポート
SNS・LINEとの連動強化・Instagram/TikTokの投稿内容設計と運用方針
・SNS→楽天への導線作り(投稿・プロフィール設計)
・LINE公式導入支援・リッチメニュー設計
・ステップ配信/再購入促進テンプレート提供
分析と振り返り・月次アクセス・CVR・広告費の見える化とレポート
・イベント後のレビュー数・効果分析
・来月の施策優先順位設計とアクション案提示

6-3. 柔軟な料金体系と進め方

  • 月額3万円〜のライトなプランから、必要に応じて施策単位のスポット対応も可能
  • 「まずは商品ページだけ見てほしい」「イベントだけ相談したい」など部分的な依頼もOK
  • 初回相談無料。現状の課題整理と方向性のご提案だけでも喜んで承ります

私たちは、楽天市場で「売れそうな商品が売れない」ことの苦しさをよく知っています。そして、それが“商品力不足”ではなく“設計と実行のズレ”であることも、何度も現場で見てきました。

だからこそ、売れる構造を一緒に組み立て、再現性のある成長をつくることが私たちの役割です。

そんな悩みをお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。私たちは、売上ではなく“利益が残る運営”の実現に本気で向き合います。

7. まとめ:売れるために必要なのは、“商品力”よりも“設計力”

楽天市場のレディースファッションジャンルは、間違いなくチャンスのある市場です。ですがその一方で、商品力だけでは勝ち残れない厳しさも、年々増しています。

「頑張っているのに伸びない」には、必ず理由があります。

商品も悪くない、広告も回している、レビューも集めている──それでも売上が安定しないとしたら、それは「設計のズレ」かもしれません。もし今、

  • 売上が頭打ちになっている
  • 何から改善すればいいか分からない
  • このまま進んでいいのか不安

という思いが少しでもあれば、一度立ち止まって、設計から見直してみませんか?

  • 商品ページを1つだけ見てほしい
  • イベント前に戦略を相談したい
  • 今の広告が適切かだけ知りたい

ピンポイントのご相談でも構いません。一緒に、今ある資源を活かしながら、「選ばれる店舗」へと進化する道筋を設計していきましょう。

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    平林 玲奈

    平林 玲奈

    新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。

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