楽天イベント後にやるべきリピーター育成施策|新規を“常連客”に変える仕組みづくり

楽天イベント後にやるべきリピーター育成施策|新規を“常連客”に変える仕組みづくり

楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどの大型イベントは、新規顧客を一気に獲得できる絶好のチャンスです。しかし、多くの店舗が抱える課題は「イベントが終わると売上も一気に落ちる」という点。

実際、イベント中に流入するお客様の大半は“新規購入者”であり、そのままリピーター化しなければ、次のイベントまで売上が続きません。

つまり、イベントの成功は「どれだけ売ったか」ではなく、「どれだけ既存化できたか」 で真の成果が決まります。

イベント後の7〜10日間は、購入直後の満足感と記憶がまだ鮮明な“ゴールデンタイム”。この期間にフォローを怠ると、せっかく獲得した新規顧客が他店舗へ流れてしまうのです。

なぜイベント後のフォローが重要なのか

楽天のイベント期間中は、クーポン・ポイント・送料無料などの特典が重なり、普段より多くのユーザーが“勢いで購入”します。しかし、その勢いが落ち着いた後に何のアプローチもなければ、「イベントが終わったからもういいか」と一度きりの関係で終わってしまいます。

一方で、イベント後すぐに適切なフォローを行う店舗は、新規客を“定期的に購入してくれるリピーター”に変えることができています。

特に、イベント後フォローが重要な理由は以下の3つです。

  1. 購入直後の満足感が高く、印象が残っているタイミングだから
     →「またこのお店で買いたい」と思いやすい時期にアプローチできる。
  2. レビューや口コミが増えることで、次回の新規獲得にもつながるから
     → フォロー=レビュー依頼はリピートと新規の両方に効果。
  3. 再購入のきっかけを設計できるのは、購入直後だけだから
     → 「使い切る頃」「なくなる頃」に自然にリピートを誘導できる。

イベント後のフォローは、単なる「お礼」ではなく、次の売上を作るためのマーケティング施策 です。ここを仕組み化できるかどうかで、店舗の成長速度は大きく変わります。

イベント後すぐにやるべき3つのフォロー施策

イベント後のフォローは、スピードが命です。特に購入から7〜10日間は、顧客の印象がまだ鮮明で、「またこのお店で買おう」と思ってもらえるゴールデンタイムです。

この時期に何もしない店舗と、しっかりフォローを入れる店舗では、翌月以降の売上に大きな差が出ます。ここでは、イベント後すぐに実施すべき3つの基本施策を紹介します。

① 購入後フォローメールを送る(レビュー依頼+再購入導線)

イベント後最初に行うべきは、購入後フォローメールの送信 です。メールは単なる「発送完了の通知」ではなく、お客様との関係を深める最初のコミュニケーションツール。

ポイントは、“事務的に終わらせない”こと。たとえば次のような内容を盛り込むだけで、印象が大きく変わります。

このたびは当店をご利用いただきありがとうございます。
商品はお手元に届きましたでしょうか?
お使いいただいた感想をぜひお聞かせください。
いただいたレビューは、より良いサービスづくりに活かしてまいります。
なお、リピート購入の際にはこちらのクーポンもご利用ください。

ステップメールの例

レビュー依頼+再購入クーポン をセットにすることで、お客様に「この店は丁寧だな」「また買おうかな」と感じてもらいやすくなります。

  • メール送信は「到着3日後〜5日後」が最も反応が良い
  • レビュー依頼はお願い口調で柔らかく
  • クーポンは“お礼”の延長として自然に提示する

② 同梱物で再購入のきっかけを作る

発送時の同梱物(チラシ・メッセージカード・クーポン)も、リピーター育成の重要な接点です。特に楽天では、実際に商品が届く瞬間が「店舗との最初で最後のリアルな接点」。ここでどんな体験をしてもらえるかで、その後のリピート率が変わります。

おすすめは、次のような設計です。

  • 「ご購入ありがとうございました」メッセージ+スタッフの写真で“温かみ”を出す
  • 「次回使えるクーポン」や「人気商品の紹介」を同梱
  • 消耗品の場合は「使い切る頃に買い足しのご案内」も添える

また、レビュー投稿QRコードやLINE登録QRを添えることで、オフライン→オンラインの再接点 を自然に作ることができます。

実践ポイント

  • 同梱チラシは1枚で“お礼+提案+行動導線”をまとめる
  • 紙面はカラフルよりもブランドイメージに合わせたトーンで統一
  • 内容を固定化せず、イベントごとに差し替えることで効果が持続

③ LINE・メルマガでフォロワー化する

イベント後の“顧客接点の維持”に最も有効なのが、LINEやメルマガです。ここでの目的は「売り込み」ではなく、「関係維持」。

イベント期間中にLINE登録やメルマガ登録を促しておき、終了後に「お礼+フォロワー限定情報」を届けることで、顧客とのつながりを一過性で終わらせず、次の購買のきっかけを残せます。

特に、フォロワー限定クーポン再入荷お知らせ の配信は反応が高く、既存顧客の囲い込みに大きく貢献します。

  • イベント中に「フォロー特典」を明確に打ち出して登録を増やす
  • 終了後1〜2週間で1回目のフォローメッセージを送る
  • 通常配信では「情報7割・販促3割」のバランスを意識する

フォロー施策は「売り込み」ではなく、“信頼を育てるコミュニケーション”。ここを丁寧に実行できるかどうかが、次回イベントでの“リピート売上の差”につながります。

リピーター化を加速させる中長期施策

イベント後のフォローを一度実施して終わりでは、リピート率は上がりません。重要なのは、継続的にお客様と関係を築き、再購入が自然に起こる仕組みをつくること。

ここからは、単発のフォローを“リピートの仕組み”に進化させるための中長期施策を紹介します。

① 定期購入・まとめ買い導線の整備

イベントで獲得した新規顧客の中には、すでに「商品に満足している人」が一定数います。しかし、ページ上に「次もここで買おう」と思える導線がなければ、リピートにはつながりません。

そこで有効なのが、定期購入・まとめ買いの導線設計 です。

  • 消耗品なら「30日分×3袋セット」「3ヵ月定期コース」などをページ上に掲載
  • 商品ページの中に「次回もお得に続けたい方はこちら」と明確なリンクを設置
  • 発送時の同梱チラシでも「継続購入特典」や「送料無料セット」を案内

楽天では“定期購入導線”が弱い店舗が多く、ここを整えるだけでLTV(顧客生涯価値)が大きく伸びます。

POINT
  • 単品ページにも「まとめ買い/定期コース」の案内を必ず掲載
  • クーポンや送料無料特典で「続ける理由」を提示
  • 商品レビューでも「継続利用者の声」を紹介して信頼を強化

② レビュー活用による信頼循環づくり

レビューは、新規獲得だけでなく、リピーターづくりの起点 にもなります。レビューが増えることで店舗全体の信頼が高まり、購入経験者にも「また買ってもいい」と思わせる効果があるのです。

特にイベント後は、レビュー数が一気に増える絶好のチャンス。ここでしっかりレビューを集め、次の販売に活かすことで“信頼の循環”を生み出せます。

  1. 到着後メールや同梱チラシでレビュー投稿を依頼
  2. 高評価レビューは商品ページやバナーに掲載
  3. レビュー投稿者向けキャンペーンで再購入を誘導

レビューは「評価の数字」ではなく「お客様の声」。その声を再利用して「選ばれる理由」を増やしていくことが、リピーターの定着につながります。

POINT
  • 「レビュー投稿で次回100円OFF」などの小さな特典でも効果的
  • 高評価レビューは“声”として画像付きで見せる
  • “悪いレビューへの誠実な返信”も信頼向上に役立つ

③ 既存顧客限定キャンペーンで“常連化”を育てる

リピート購入を仕組み化する最終ステップは、「特別扱い」感の提供 です。お客様は、商品だけでなく“自分を大切にしてくれる店”にリピートします。

たとえば、「2回目購入で300ポイントプレゼント」「ロイヤルカスタマー様限定セール」「フォロワー限定の先行販売・シークレットセール」等が挙げられます。

これらの施策を通じて「この店の常連でいるメリット」を感じてもらうことが大切です。

楽天は新規獲得競争が激しいモールだからこそ、“既存顧客に特別感を与える店舗”が強い。一度関係を築いた顧客を逃さないために、イベント後の限定施策を継続的に打つことが有効です。

POINT
  • イベント後1〜2週間で「お礼+既存限定企画」を配信
  • 通常セールと差別化し、対象を明確にする
  • 常連顧客の声を取り上げることで共感を強化

リピート施策は、短期的な売上ではなく“関係資産”を積み上げる戦略。イベントの勢いを一過性で終わらせず、店舗の基盤を強くしていく取り組みこそが、次の成長の鍵となります。

売上に伸び悩む店舗さんによくある失敗パターン

イベント後にしっかりフォローしている店舗は意外と少なく、多くの店舗が「せっかく獲得した新規顧客を、そのまま離してしまう」状態になっています。

ここでは、よくある失敗例とその改善の方向性を紹介します。

① イベント後に何もフォローしていない

もっとも多い失敗は、イベント後の顧客フォローを一切行っていないことです。イベントでの売上が一段落すると、「ひとまず落ち着いた」と思ってそのまま放置してしまうパターン。

しかし、イベントで初めて購入したお客様は、まだ店舗との関係が浅く、フォローがなければ次回は別の店舗で購入してしまう確率が非常に高いです。

CHECK
  • イベント終了直後に「購入御礼メール」を送る
  • 「到着後レビュー依頼+再購入クーポン」を自動化
  • 「同梱チラシ+LINE誘導」で継続接点を作る

② フォローメールが事務的で“人の温かみ”がない

フォロー施策自体は行っていても、「ご購入ありがとうございました。またのご利用をお待ちしております。」
といったテンプレートの文面で終わってしまうケースも多いです。

それではお客様の心には残りません。イベント後は特に、「このお店で買ってよかった」という余韻を強めるメッセージが重要です。

CHECK
  • 「担当者名」や「スタッフの一言」を添える
  • 「他におすすめの商品」や「レビューを見ている旨」を伝える
  • メールのトーンを“会社”ではなく“人”として発信する

③ 再購入導線がページにもメールにも存在しない

イベント後に売上が落ちる店舗の多くは、そもそも“次に買うきっかけ”がどこにも用意されていません。

ページに再購入ボタンがない、メルマガやLINEで再購入の案内をしていない、発送完了メールにも導線がない…。

これではせっかくの新規顧客を自然消滅させてしまいます。

CHECK
  • 商品ページに「リピート購入はこちら」「定期コースはこちら」を設置
  • 同梱チラシで“買い足しタイミング”を明示
  • LINEやメルマガで“再購入リマインド配信”をスケジュール化

④ フォローを売り込み化してしまう

一方で、フォローメールを送っているものの、「セール開催中!今すぐチェック!」のように販促色が強すぎてしまうケースもあります。

イベント直後は、顧客が「また買わされるのか」と感じやすいタイミング。ここでは“売り込み”より“関係づくり”を優先すべきです。

CHECK
  • 最初のフォローは「お礼」「感想共有」「レビュー依頼」を中心に
  • 販促メールはフォロー後1〜2週間空けて配信
  • 「お客様の声紹介」や「スタッフだより」など、非販促コンテンツを交える

まとめ:イベントは終わりではなく“次の売上の始まり”

楽天のイベントは、一時的に売上を伸ばすチャンスですが、本当の成果は「イベント後にどれだけ顧客をつなぎ止められるか」で決まります。

イベント後の新規顧客は、“潜在リピーター”の宝庫。この層にしっかりアプローチできれば、広告費をかけずに安定的な売上を作れます。

  • イベント直後は“購入体験の余韻”が残っているタイミング
  • フォローメールや同梱チラシで「また買いたい」を自然に促す
  • LINEやメルマガで継続的に接点を持ち、信頼を育てる
  • 定期購入やまとめ買い導線で再購入を仕組み化する

これらを日常業務の中に組み込むことで、イベント依存の売上から“安定した基盤型の店舗”へと進化できます。
逆に言えば、イベント後の動き方が“次回のイベント成果”を決めるのです。

  • 楽天店舗の売上が低迷している
  • イベント後に売上が一気に落ちてしまう
  • 新規顧客をリピーターにできていない

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私がこの記事を書きました

平林 玲奈

平林 玲奈

新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。

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