楽天でクーポン施策で効果が出る商品・出ない商品の違いとは?

楽天でクーポン施策で効果が出る商品・出ない商品の違いとは?

楽天店舗を運営していると、そんな悩みを抱えるケースは少なくありません。

クーポン施策は、楽天の集客や転換率を底上げするための王道の手段ですが、「効果が出る商品」と「効果が出にくい商品」が存在します。同じように10%OFFクーポンを出しても、ある商品は売上が大きく伸びる一方で、別の商品はほとんど反応がないということも珍しくありません。

なぜそんな差が出るのでしょうか?

今回は、楽天におけるクーポン施策の仕組みと、効果が出る商品・出ない商品の違いを整理し、成果につなげるための考え方を解説します。

1.楽天でクーポンが効果を発揮する理由

楽天市場は「お得感」で購買行動が大きく動くモールです。検索結果でも商品ページでも「割引き」「ポイント」「送料無料」などのお得情報が前面に出されるため、ユーザーは自然と「どこで買えば一番得か」を基準に商品を選びます。

その中でクーポンは、以下のような効果を発揮します。

  • クリック率を高める
    検索結果やランキングで「クーポン対象」と表示されることで、他の商品よりも目を引きやすくなる。
  • 購入率を後押しする
    同じような商品が並んでいるとき、「クーポンが使えるからここで買おう」と判断されやすい。
  • 顧客の“今買う理由”を作る
    「せっかくならクーポンが使えるうちに」と行動を早めるきっかけになる。

ただし、これらは 商品特性や競合環境と噛み合った場合に限り、効果を最大化できる ものです。
逆に、そもそも価格競争が起きにくい商品や、信頼性が弱い商品にクーポンを付けても、期待した成果にはつながりません。

2.クーポン施策で効果が出る商品の特徴

クーポンは、どんな商品にも同じように効果が出るわけではありません。むしろ「クーポンが効く商品」はある程度共通した特徴を持っています。実際に成果が出やすい商品の傾向を具体的に見ていきましょう。

リピート・消耗品系(例│サプリ・日用品)

クーポンが最も効果を発揮しやすいのは、リピート購入が見込める消耗品ジャンル です。

一度購入したお客様が「そろそろ買い足そう」と思うタイミングでクーポンが届くと、「今のうちに買っておこう」という動機が生まれやすくなります。

特にサプリメント、青汁、洗剤、マスク、コーヒー豆など「定期的に必要になる商品」は、購入の“後押し施策”としてクーポンが非常に相性の良いカテゴリーです。

  • クーポンを「お試し」ではなく「再購入促進」に使う
  • メルマガ・LINE連携などで“買い替えタイミング”に合わせて配布する

競合が多い定番商品(例│青汁・マスク・コーヒー豆)

価格競争が激しいカテゴリーでは、クーポンが「選ばれる理由」になります。
楽天ユーザーは検索結果で複数の商品を比較するため、数百円の差でもクーポン有無がクリック率を大きく左右します。

特に「青汁」「マスク」「スキンケア」「プロテイン」など、同一価格帯で比較されやすいジャンル はクーポンの反応が高い傾向にあります。ただし、値引き率を上げすぎると利益を圧迫するため、セット割・まとめ買い条件付きクーポン にするなど、利益を守る工夫が必要です。

  • 検索比較されやすい商品は「クーポン表示」で優先クリックを狙う
  • 割引率よりも「条件設計」で利益をコントロールする

高レビュー・評価が安定している商品

レビュー評価が高く、信頼性のある商品はクーポン効果が出やすい傾向があります。ユーザーは「良い商品なのは分かっているけど、今すぐ買う理由がない」と感じていることが多く、そこにクーポンがあると “背中を押す最後のひと押し” になります。

特に★4.3以上・レビュー数100件以上の商品では、クーポンによる購入率上昇が顕著に見られます。「品質への信頼+一時的なお得感」が合わさると、購買心理が最も動きやすくなるのです。

  • 高評価商品は「10%OFFクーポン」などシンプルな割引でも十分に効果が出る
  • クーポン利用を促すバナーや画像内訴求を忘れずに入れる

3.クーポン施策で効果が出にくい商品の特徴

クーポンは強力な販促手段ですが、すべての商品に効くわけではありません。むしろ「クーポンを出しても売れない」商品には、いくつか共通した理由があります。

ここでは、効果が出にくい商品タイプとその背景を見ていきましょう。

高単価・検討期間が長い商品(例:家具・家電)

家具や家電など、購入をじっくり検討する高額商品 は、クーポンの影響を受けにくい傾向にあります。
ユーザーが重視するのは「価格の安さ」よりも「品質・保証・設置・レビュー」などの安心感であり、
一時的な値引きよりも「長く使える信頼性」が決め手になります。

また、高単価商品ではクーポン割引額が小さく見えてしまうこともネックです。
たとえば10万円のソファに1,000円OFFクーポンが付いていても、購買心理への影響は限定的です。

  • クーポンよりも「設置無料」「長期保証」「返品保証」で安心感を訴求
  • 値引きより“リスク回避”のほうが刺さる

ニッチで競合が少ない商品

市場に競合が少ないニッチ商品は、もともと価格比較の意識が薄いため、クーポンを出しても反応が弱くなりがちです。専門分野向けの商品などは、「欲しい人が指名で買う」傾向が強く、クーポンを付けても「お得だから買おう」という動機にはなりにくいのです。

このタイプの商品は、クーポン施策よりも「ストーリー・専門性・レビュー」を通じて信頼を積み上げる方が効果的です。

  • “お得”よりも“この店だから買いたい”理由を強化
  • クーポンよりもブランド訴求・世界観訴求を重視

レビューや信頼性が不足している商品

レビュー件数が少なく、評価が安定していない商品もクーポン効果が出にくい代表例です。お得感を打ち出しても、「安い=不安」と感じるユーザー心理が働き、購入につながらないケースが多いです。

特に楽天のようにレビュー文化が根付いているモールでは、レビュー数と評価が“購入判断の入口”になっているため、信頼がない状態で値引きをしても効果がうすくなりやすいのです。

  • まずはレビュー獲得導線(フォローメール・同梱依頼)を整える
  • レビューの質と量を高めてからクーポン施策に投資する

クーポンの成果を最大化するためには、「値引きで売る」前に「選ばれる理由」をページ内で作ることが不可欠です。つまり、クーポンは“仕上げの一手”であり、信頼が整って初めて効果を発揮する ということです。

4.よくあるクーポン配布の失敗パターン

クーポンはうまく活用すれば強力な販促施策になりますが、設計を誤ると「売上は伸びないのに利益だけ削られる」結果にもなりかねません。

全商品対象・常時10%OFFにしてしまう

最も多い失敗が、「すべての商品に、いつでも使える10%OFFクーポンを出している」ケースです。一見お得に見えますが、ユーザーにとっては“特別感”がなくなり、購買を後押しする効果が薄れてしまいます。

また、利益率が下がるだけでなく「この店はいつも安い」という印象が定着し、価格以外で選ばれにくくなる危険もあります。

改善策

  • 対象商品を絞り、「今だけ」「この商品だけ」という限定感を作る
  • 常時配布ではなく、イベントやキャンペーンと連動させてメリハリを出す

クーポンに頼りすぎてレビューやページ改善を疎かにする

売上が伸び悩むと「とりあえずクーポンを出そう」と考えがちですが、レビューが少ない・画像や説明が弱いページにクーポンを付けても、購買率は上がりません。

クーポンはあくまで“購入の後押し”であり、ページ自体の説得力 が整っていなければ効果は限定的です。

配布条件が複雑でユーザーが使いにくい

「3,000円以上購入で使える」「特定カテゴリのみ対象」「先着順」など、条件が複雑すぎるクーポンも失敗のもとです。ユーザーが「使えるのか分からない」と感じた時点で離脱してしまいます。

楽天は他モールに比べて年配の方も多く、ネットリテラシーが高くないユーザー層が一定数いるため、条件や使い方が少しでも分かりにくいと「面倒そう」と判断されてしまう傾向があります。

  • クーポン条件はシンプルに(“〇円以上で〇円OFF”など)
  • 商品ページや画像内で「この商品で使えます」を明記する
  • 利用手順を1ステップで理解できる導線を設計する

クーポンは、うまく使えば「選ばれる理由」を作れますが、間違うと「利益を削るだけの仕組み」になってしまいます。
重要なのは、“出すこと”より“どう使うか”を設計すること

まとめ│クーポンは“値引き施策”ではなく“戦略ツール”

楽天でクーポンを成果につなげる鍵は、「割引率」ではなく「戦略設計」です。クーポンは出すこと自体が目的ではなく、競合との比較の中で“最も魅力的に見せる”ためのツール なのです。

  • 競合の価格帯や還元条件を調べずに割引を設定すると、効果はほぼ出ない
  • 価格や内容が似ている商品が並ぶ中で、ユーザーに「この店が一番お得」と感じさせる設計が必要
  • 単なる“安売り”ではなく、「買う理由を作る」ことこそがクーポンの本来の役割

そのためには、商品の特性・競合環境・客層を踏まえて、「どの商品に」「どのタイミングで」「どの条件で」クーポンを設計するかを見極めることが重要です。

競合分析を行う事も重要なポイントです

クーポンは値引きではなく、購買心理を動かすための“見せ方の戦略”。そこに“競合比較”の視点を組み合わせることで、初めて利益を生む施策になります。

  • クーポンを出しても売上が伸びない
  • 利益率が下がるばかりで、成果が見えない
  • 競合より見劣りしている気がするが、どこを直せばいいか分からない

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私がこの記事を書きました

平林 玲奈

平林 玲奈

新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。

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