
楽天市場で売上を伸ばしたい――。そう考えたとき、多くの店舗が注目するのが「美容ジャンル」です。
美容市場は年々成長を続けており、スキンケア、コスメ、ヘアケア、ボディケアと、幅広い商品カテゴリーが存在します。特に近年は、自宅で手軽に美容ケアを楽しみたいというニーズの高まりを受け、ECでの美容商材購入が一般化してきました。
しかしその一方で、競争は年々激化しており、特にオリジナル商材を扱う店舗にとっては、「認知されない」「比較されにくい」という独自の難しさも立ちはだかっています。
「いい商品なのに、なかなか売れない」
「広告を出しても、思ったように反応がない」
「価格競争に巻き込まれるわけにもいかない」
そんな悩みを抱えている店舗様も多いのではないでしょうか。今回は、楽天市場の特性を踏まえながら、オリジナル美容商材で売上を伸ばすための戦略と具体策をわかりやすくご紹介していきます。
単なる値引きや広告頼みではなく、「正しい土台作り」と「成長戦略」を一緒に考えていきましょう。
1. 楽天市場における美容ジャンルとオリジナル商材の現状
楽天市場における美容カテゴリーは、コスメ・スキンケア・ヘアケアを中心に、非常に大きな市場規模を誇ります。特に、近年ではコロナ禍を契機に「自宅で美容ケアを楽しむ」というライフスタイルが定着し、ECでの美容商材の需要は拡大しました。
1-1. 楽天市場の美容カテゴリーの動向と競争環境
特に楽天市場では、
- スキンケア部門(化粧水、美容液)
- ヘアケア部門(シャンプー、トリートメント)
- ボディケア・サプリメント部門
など、各ジャンルで人気ランキングやキャンペーンが組まれており、常に高い注目度を維持しています。
一方で、楽天市場の検索結果やランキングを見ると、上位を占めるのは大手ブランドや型番商品が多いのが実情です。ナショナルブランドの商品力や認知度が強力なため、新規・オリジナル商材が自然流入だけで勝つのは難しいという厳しい現実があります。
この環境下でオリジナル商品を売り伸ばしていくには、単なる出品だけではなく、ターゲットを明確にし、商品ページ・販促施策すべてに一貫した戦略が求められるのです。
1-2. オリジナル商材が抱えるチャンスとリスク
オリジナル美容商材には、大手ブランド品にはない独自性という武器があります。
例えば、「国産無添加処方」や「特許取得成分配合」など、商品のこだわりを前面に打ち出すことができれば、ファンを獲得しやすいのも事実です。
特に楽天市場では、
- 特定層向け(敏感肌向け、男性向け、エイジングケア特化など)
- コンセプト重視(オーガニック志向、サステナブル志向)
といったニッチ層狙いが刺さりやすく、上手くブランド世界観を伝えられれば、リピーター育成にもつながります。
しかし、オリジナル商材には明確なリスクも存在します。
- ブランド認知がないため、最初は「売れるまで時間がかかる」
- 集客や広告に一定のコストがかかる
- レビューが少ないうちは購入率が低くなりやすい
- 楽天の検索・ランキングで埋もれやすい
このように、短期的な売上だけを追うと苦しくなるリスクが高いのがオリジナル商材です。
よほど大きなプロモーション予算がない限りは、あらかじめこれを理解した上で、「長期目線で育てる」姿勢が重要になります。
1-3. 成功できない店舗に共通する“3つの落とし穴”
オリジナル美容商材で思うように成果が出ない店舗には、いくつか共通するパターンがあります。
①誰向けかが曖昧で、ターゲットがボヤけている
→ 「すべての人に良いですよ」という訴求は響きません。誰に向けた商品なのかを、明確に絞ることが大前提です。
②商品ページの作り込みが弱い
→ 写真のクオリティが低い、成分や使い方の説明が不足している、購入後のイメージが湧かない──これでは、せっかく良い商品でも伝わりません。
③楽天市場内の販促(SEO・RPP・イベント施策)に対応できていない
→ 商品力だけでは自然流入は期待できません。モール内のルールや販促チャンスを押さえ、戦略的に動く必要があります。
これらを改善しないまま運営を続けても、価格競争に巻き込まれるか、撤退に追い込まれてしまう危険性が高まります。
2. オリジナル美容商材で勝つための基本戦略

楽天市場でオリジナル美容商材を成功させるためには、単に「良い商品を出品する」だけでは不十分です。ターゲット設定から商品ページ作り、初回購入施策、リピート導線まで、すべてを戦略的に設計しなければなりません。
ここでは、まず取り組むべき基本戦略を解説します。
2-1. ターゲット設計:「誰に売るのか」を明確にする
まず絶対に外してはいけないのが、「ターゲット設定」です。
楽天市場では、多くのユーザーが商品を比較しながら購入を検討します。ターゲットが曖昧だと、ユーザーに「自分向けの商品だ」と認識されず、スルーされてしまいます。
ターゲット設計で意識すべきポイントは以下です。
- 年齢層(例:20代女性、30代男性、40代以降のエイジング世代)
- ライフスタイル(例:子育て世代、忙しいビジネスパーソン、自宅美容志向)
- 悩み・課題(例:乾燥肌、毛穴悩み、敏感肌、薄毛対策)
- 美容にかける意識・予算(例:プチプラ志向、高級志向)
ターゲットを明確にしたら、商品ページの文章、写真、キャッチコピーすべてをそのターゲットに合わせて作り込んでいきます。「誰にとって、どんな悩みを解決できる商品なのか」が伝わらないと、どんなに良い商品でも売れません。
2-2. 商品ストーリーで“価値”を伝えるページ作り
次に重要なのが、商品ページのストーリー設計です。楽天市場では、特に美容ジャンルにおいて「商品ストーリー」が購入意欲に直結します。
商品ストーリーで伝えるべき要素は以下です。
- なぜこの商品を開発したのか(開発背景)
- 他の商品と違う、成分や製法へのこだわり
- 開発者・販売者の想い(「誰かを救いたかった」「自分自身の悩みから生まれた」など)
これらをテキストだけでなく、写真・図解・イメージビジュアルで直感的に伝えるのが効果的です。特に楽天ではスマホユーザーが多いため、スクロールする中で世界観に惹き込まれる構成の設計がポイントになります。
さらに、楽天のモールSEO(後述)も考慮して、ターゲットが検索しそうなキーワード(例:「乾燥肌 保湿クリーム」「敏感肌 コスメ」など)を商品説明文や商品名の前半に自然に入れ込むことも重要です。
以下がスキンケアアイテムの場合の構成の一例です。
【例】スキンケア商品(化粧水)の商品ページ構成案
ファーストビュー(冒頭キャッチ)
- メインキャッチコピー
→ 「乾燥肌に悩むあなたへ。肌本来のうるおいを呼び覚ます化粧水」 - 商品写真(使用イメージ+商品単体)
- 購入ボタン(スマホ対策でスクロール前に設置)
1. こんなお悩みありませんか?(共感パート)
- 乾燥でメイクが崩れる
- 肌がピリピリする
- 保湿してもすぐカサつく
(イラストや簡単なチェックリストで視覚化すると効果的)
2. 商品開発ストーリー(背景・こだわり)
- なぜこの化粧水を作ったのか
(例:自分自身の敏感肌の悩みから開発がスタートした) - 開発にかけた想い
(例:無添加処方にこだわった理由)
3. 配合成分・技術の紹介(差別化ポイント)
- 主要成分の効果
(例:ナイアシンアミド、セラミド、植物エキスなど) - 肌悩みを解決できる理由
- 他社商品との違いを分かりやすく整理
(例:防腐剤不使用、国産原料100%使用など)
4. 使用方法・使うタイミング
- 正しい使用量・使い方のガイド
(例:500円玉大を手に取り、顔全体にやさしくなじませる) - 朝・夜のケア方法を写真または動画で紹介
5. 使用後の未来像(ベネフィット訴求)
- 使用後1週間の肌変化イメージ
- 「肌がしっとりする」「化粧ノリが変わる」など具体的な未来
(イメージビジュアル+お客様の声を合わせると効果的)
6. 購入者レビュー・体験談紹介
- 実際のレビューを抜粋して紹介
(できれば顔写真入り・年代別が理想) - Before→After写真があると説得力UP
7. 初回限定特典・キャンペーン案内
- 初回購入割引・送料無料・特典プレゼント案内
- 期間限定感を出す(例:「先着100名様限定」)
8. リピート購入・定期コース案内
- 継続使用の重要性を説明
(例:肌のターンオーバー周期を踏まえた説明) - お得な定期購入プランの紹介
安心感訴求エリア(再設置)
「30日間返金保証あり」など不安を払拭
2-3. 初回購入のハードルを下げる仕掛け
オリジナル商材は、ナショナルブランドに比べて「安心感」や「ブランド力」が弱いため、最初の一歩を踏み出してもらうための工夫が不可欠です。
初回購入のハードルを下げる代表的な施策は以下です。
- トライアルセット(ミニサイズ・1週間分など)
- 初回だけで使用できるクーポン
- 返品保証(万が一肌に合わなかった場合は返金対応)
購入ハードルを下げることで、まずは使ってもらう→満足してもらう→リピートに繋げる流れが作れます。
楽天では、「初回購入者限定」のキーワードは広告出稿時にも訴求力が高く、モール内でも差別化しやすいため、ぜひ取り入れたい施策です。
2-4. リピートを生み出す導線設計
オリジナル美容商材は、一度買ってもらった後が本当の勝負です。リピート率を高められれば、広告費をかけずに売上・利益を安定させることができます。
リピートを促すための具体的な施策は以下です。
- ステップメール(例:購入から5日後に「使い心地はどうですか?」フォローメール)
- 同梱チラシ(例:次回購入特典、定期コースのご案内)
- 購入後レビュー促進(レビュー記入で割引クーポン配布)
- 定期購入プランへの導線(例:2回目以降10%オフ+送料無料)
楽天市場では、リピート客は新規客に比べて利益率が高いため、リピート施策に力を入れることが成功への近道です。
最初の購入から「リピーター育成」までを意識して設計しておくことで、売上も利益もブレない体制が作れます。
3. 楽天市場内での売上最大化施策

楽天市場内でオリジナル美容商材を売り伸ばすためには、商品力だけでは不十分です。
楽天市場の特性に合わせた「露出対策」「広告戦略」「販促設計」をしっかり行うことで、集客力と転換率を並行して高めていく必要があります。
ここでは、楽天市場内で売上を最大化するために必須となる4つの施策について解説していきます。
3-1. 楽天モール内SEO対策の基本
楽天市場では、ユーザーの多くが「検索窓」にキーワードを入力して商品を探します。このため、モール内の検索順位対策=楽天SEOは非常に重要です。
楽天SEOで重視すべきポイントは以下です。
① キーワード選定
- ターゲットユーザーが実際に検索しそうなキーワードを調査する
- 楽天の検索サジェストや、関連キーワードツールを活用
- 例:「30代 保湿 化粧水」などニッチワードも狙う
② タイトル・キャッチコピー・商品説明へのキーワード配置
- 商品タイトルに主要キーワードを自然に組み込む(重要なキーワードは前半に入れる)
- キャッチコピーや商品説明文にも検索キーワードを散りばめる(セマンティックサーチ対策)
- ただし「キーワード詰め込みすぎ」は逆効果なので注意
③ 売上・レビュー数を積み上げる
- 楽天の検索順位は、「売上実績」「レビュー数」「レビュー評価」が大きく影響
- 初動は広告やキャンペーンを活用して販売数を稼ぐ施策が効果的
オリジナル商材の場合、特にニッチワードで上位表示を狙う戦略が有効です。大手ブランドと真っ向勝負せず、「刺さる層に確実に見つけてもらう」ことを重視しましょう。
3-2. RPP広告を活かすための運用戦略
RPP(Rakuten プロモーション プラットフォーム)広告は、楽天内で商品を目立たせるための必須施策です。特にオリジナル商材は自然流入だけでは認知が難しいため、初動の広告出稿が極めて重要になります。
RPP広告運用で押さえるべきポイントは以下です。
① 効果的なキーワード選定
- 自社商品に直結するキーワードを軸に設定
(例:「乾燥肌 化粧水」「オーガニックコスメ」など) - ビッグワードだけでなく、ミドルワード・ロングテールワードも狙う
② CPA(顧客獲得単価)を管理する
- 広告費をかけすぎると利益が消えるため、必ずCPA目標を設定
- 目安:粗利額の30〜50%以内にCPAを収める
③ 広告データをもとに「売れる商品」に集中する
- コンバージョン(購入)に結びついた商品に予算を集中的に投入
- 売れにくい商品には無理に広告費を使わない
RPP広告は、楽天SEO対策との相乗効果も期待できます。
広告で売上が伸びると、自然検索順位も上がり、広告費を抑えながら売れ続ける流れが作れます。
3-3. 楽天イベント(お買い物マラソン・スーパーSALE)活用術
楽天市場では、月に1〜2回開催される大型販促イベント(お買い物マラソン・スーパーSALE)が集客の大チャンスです。
オリジナル美容商材でも、イベントを活用することで大きな波に乗ることができます。
イベント施策のポイントは以下です。
① イベント前の準備を徹底する
- スーパーサーチ申請
- ポイント変倍設定(例:2倍、5倍)
- イベント専用クーポン発行
- セット販売や限定品の企画(例:イベント限定の特別パッケージ)
- 特設ページを作り、離脱を防ぐ
「やはり、値引きをしなくてはダメなのか…」と感じる方もいらっしゃると思います。
もし、自店舗の商品が既に知名度があり、他社に負けない優位性があり、それがユーザーから強く求められているものであれば、値引きの必要はないかもしれません。
しかし、そのような1つでも欠ける場合は競合に負けない、埋もれないために、値引きやポイントで対策をする事が必須です。
② タイムセール・目玉商品を作る
- タイムセールで目玉商品を用意してアクセスを集める
- あえて利益率が高い商品を出して、回遊促進を狙う戦略も有効
③ 広告の強化
- RPP広告やクーポンアドバンス広告の強化、セール期間に合わせたTDA
- 目玉枠等の楽天の無料広告への申請
イベント期間中は「いつもよりポイント還元率が高い」「今だけお得」というムードができるため、初回購入ハードルを超えやすくなります。このタイミングで新規顧客を一気に獲得し、リピート施策に繋げるのが理想的な流れです。
3-4. レビュー施策と購入後フォロー体制
楽天市場だけでなく、モール型のECサイトではでは、レビューが売上に直結する重要な要素です。特にオリジナル商材はレビューが“安心材料”になるため、購入後のフォローが欠かせません。
レビュー対策のポイントは以下です。
① レビュー投稿特典を設定する
- 「レビュー投稿で○○プレゼント」などインセンティブを用意
- 同梱チラシや購入後メールで丁寧にレビュー依頼を行う
② 購入直後のタイミングを逃さない
- 商品到着後2〜5日以内にステップメールでレビュー依頼
- 購入直後が最もモチベーションが高いため即フォローが大事
③ 悪いレビューへの対応も丁寧に
- 放置せず、真摯な返信を心がける
- 改善策を打ち出して、信頼感を高める
レビュー数が増えれば、楽天SEOにもプラス効果があり、商品ページのコンバージョン率も上がるため、売上に直結します。
4. 成功パターン・失敗パターン事例
楽天市場でオリジナル美容商材を成功させるには、正しい戦略と着実な実行が欠かせません。
では実際の成功パターンと失敗パターンを比較しながら、重要なポイントを整理していきます。
4-1. 成功例:オリジナル美容商材で売上を伸ばした店舗事例
あるオリジナルスキンケアブランド様は、楽天市場への出店当初はほとんど知名度がありませんでした。しかし、以下のような施策を着実に実行することで、半年で売上を3倍以上に伸ばすことに成功しています。
ジャンル | 美容・コスメジャンル、30代以降の女性がターゲットの基礎化粧品+ベースメイク用品 |
出店年数 | 2年半 |
商品数 | 40商品(セット商品含む) |
①ターゲット設定を徹底的に絞った
- 「30代後半〜40代前半の乾燥肌に悩む女性」という明確なターゲットを設定。
- ページのコピー、写真、ビジュアル設計すべてをターゲットに合わせて改修
→全改修だとコストも時間もかかるので、一部を差し替える事で対応
②商品ページにストーリーを持たせた
- 「開発者自身も敏感肌に悩んでいた」というリアルなストーリーを掲載。
- 成分の安全性や製造過程の透明性も丁寧に紹介。
- スタッフの顔を出し、親近感を出す
③初回購入ハードルを下げた
- 1週間分のトライアルセットを送料無料で販売。
- レビュー投稿キャンペーンを実施して、購入者から早期にレビューを集めた。
④楽天SEOとRPP広告を連動させた
- 商品名・キャッチコピーにターゲット向けのキーワードを盛り込み、
- 初動はRPP広告で露出を確保、売上とレビューを積み上げて自然検索順位を上げた。
⑤イベントをチャンスと捉え、まとめ買い施策を実施
- スーパーSALEの2か月前から、スーパーサーチ申請用の商品を作成
- お買い物マラソン期間中にセット販売・ポイント10倍施策を打ち、新規顧客の獲得に成功。
結果、リピーター率も高まり、半年後には広告費に頼らずとも安定した売上を出せる体制を作り上げました。
4-2. 失敗例:商品は良いのに売れなかった店舗に見るリアルな落とし穴
楽天市場にオリジナル化粧水を出品したB社。実際、商品自体は高品質で、成分にもこだわり、専門家監修のもとで開発された本格派でした。しかし、出店から半年が経過しても、売上は目標の3割にも満たず、広告費ばかりが膨らむ結果に。
なぜ、良い商品にもかかわらず売れなかったのでしょうか。
本当の失敗原因
① ブランド構築を怠ったため、比較対象にもならなかった
「オリジナルだからそのうち広まるだろう」と、外見の「おしゃれさ」を重視しすぎ、ブランドの物語や独自性を打ち出しが弱かった。結果、ユーザーから見れば「どこにでもありそうな無名商品」にしか映らず、比較対象にもならなかった。
② 競合との価格比較で一瞬で脱落
同価格帯には、有名ブランドのトライアルセットや、レビューが1000件を超える商品がずらり。商品のクリック率も悪く、やっと商品ページを見たユーザーからは「わざわざこれを買う理由」を見出せず、転換率も上がらなかった。
③ 楽天モール内の動き方を理解していなかった
楽天SEOを意識せず、キーワード設計が雑だったため、検索結果にすら表示されにくかった。楽天イベント(お買い物マラソン、スーパーSALE)でも、何の施策もせずに通常営業。競合がイベント特価やポイント変倍で攻めてくる中、自社だけ取り残されてしまっていた。
④ 初動レビューを軽視し、”無風状態”に陥った
レビュー施策まで手が回らず、購入後のフォロー等が出来ていなかった結果、ページにレビューがほとんどつかず、検索順位も転換率も低迷。
⑤ 広告だけに頼り、利益を圧迫した
とりあえずRPP広告をかければ売れるだろうと、ページの作りこみが浅い状態で、キーワード設定なども行わず一律10円でRPP広告を出し続けた結果、ROASは200%を切り、資金だけが消耗していった。
- 商品の品質だけでは、楽天市場では勝てない
- 「認知されない商品は、存在しないも同然」である
- 最初は、利益よりも「知ってもらうための仕掛け作り」が必須
- 楽天市場特有の施策(SEO、レビュー、イベント販促)に乗らなければ、良い商品でも売れない
- 広告は、あくまで「売れるページ・売れる仕掛け」ができてから使うべき
4-3.成功と失敗の違いは「戦略」と「行動量」
オリジナル商材は「いい商品なら売れる」という単純な世界ではありません。実は、上記で挙げた成功例と失敗例は、実は弊社でのサポート前(失敗例)とサポート後(成功例)です。
- 誰に売るかを明確に絞ったか
- 価値を伝えるための努力を惜しまなかったか
- 楽天市場の販促施策に積極的に乗ったか
- 購入後のリピート育成まで考えたか
この積み重ねにあります。
たとえスタート時に知名度がゼロでも、正しい方向に努力を積み重ねれば、確実に結果は変わります。
5.美容ジャンルの店舗運営でよくある質問
オリジナルの美容商材で楽天店舗運営を行っていると、さまざまな不安や疑問が湧いてきます。ここでは、特に店舗様からよく寄せられる質問をピックアップし、実際の運営現場に即した回答をまとめました。
5-1. RPP広告は必ずやったほうがいいですか?
基本的には、やったほうがいいです。ただし「準備が整っていること」が前提です。
オリジナル商材は、最初は自然検索やランキング露出だけでは十分に認知を広げられません。そのため、RPP広告(楽天市場内の検索連動型広告)で初動の露出を確保することは非常に重要です。
ただし、商品ページが作り込まれていない段階で広告を回すと、クリックはされても購入に繋がらず、広告費だけが消耗してしまうリスクがあります。広告出稿前に、
- 商品ページがターゲットに刺さる内容になっているか
- 購入後のレビュー獲得施策が用意されているか
を必ず確認してからスタートすることをおすすめします。
5-2. 初動でレビューが集まらないときはどうすればいいですか?
意図的に「レビューを書きたくなる仕掛け」を作りましょう。
楽天市場では、レビューが少ない商品に対してユーザーは警戒心を抱きがちです。最初の10件程度のレビューを集めるために、積極的な施策を打つ必要があります。
- 購入後フォローメールで「レビュー投稿をお願いする」
- 同梱チラシで「レビュー投稿で次回使えるクーポンプレゼント」を案内する
- イベントやキャンペーンと連動して、「レビュー特典あり」と、その旨を項目選択肢で必須項目にする
といった施策が効果的です。どれも地道な作業になりますが、早期にレビューを積み上げることで、商品ページの信頼感も大きく向上します。
5-3. イベント以外の時期に売上を維持するにはどうしたらいい?
リピーター育成と自然流入の強化がカギです。
楽天市場では、お買い物マラソンやスーパーSALEといった大型イベント時に売上が伸びやすい一方で、イベントが終わると売上が落ち込みやすい傾向があります。これを防ぐためには、イベントに依存しない「平常時の売上の土台」を作ることが重要です。
- イベントで獲得した新規客に対して、
→ ステップメールやLINE連携などでリピート購入を促す - 通常時でも検索流入を増やせるように、
→ 楽天SEO対策(キーワード設計、レビュー増強)を地道に強化する - 定期購入やまとめ買い導線を整え、
→ 平常時でも自然にリピート売上が発生する仕組みを作る
イベントは新規獲得のチャンスと割り切り、平常時はリピーターとSEO流入で着実に売上を積み上げるイメージで運営すると、年間を通して安定した成長が実現できます。
楽天市場での運営には、たしかに多くの不安や疑問がつきものです。しかし、1つひとつの疑問にしっかり向き合い、適切な行動を積み重ねていけば、オリジナル商材でも確実に成果を出すことができます。
6.ファンクションができるサポートとは?
楽天市場でオリジナル美容商材を成功させるためには、単なる出品やポイント施策だけでは限界があります。
ターゲット設計から商品ページ作成、広告運用、イベント活用、そしてリピーター施策まで、店舗全体を一貫して設計し、実行していくことが欠かせません。
しかし、実際の店舗運営では、
- 日々の受発注業務やカスタマー対応で手が回らない
- どこから手をつけていいかわからない
- 正しい方向に進んでいるか不安
といった悩みが尽きないのが現実ではないでしょうか。
そこで私たちは、そんな店舗様を支えるために、「利益を生み出す運営体制づくり」を軸としたサポートサービスをご提供しています。
6-1. オリジナル商材向け楽天戦略支援サービスのご紹介
私たちのサポートは、単なる作業代行ではありません。
オリジナル美容商材を楽天市場で育てていくために、本当に必要な施策を、現実的かつ実行可能な形でご提案・実施していきます。
- 商品ページ設計・コンテンツ改善
ターゲットに刺さるキャッチコピー・ビジュアル設計
ストーリー性を持たせた商品説明文の作成
スマホファースト対応のレイアウト最適化
楽天モールSEOに基づくキーワード設計 - 広告運用・販促施策支援
RPP広告運用(キーワード選定、入札調整)
イベント(お買い物マラソン・スーパーSALE)時の販促企画設計
ポイント施策・クーポン発行の最適化サポート - リピーター育成・LTV最大化施策
同梱チラシ設計、サンクスメール設計
定期購入・まとめ買いの導線設計
レビュー獲得施策、リピーター向けステップメールの提案 - 分析・レポートによる改善提案
毎月の売上・アクセス・広告効果レポート作成
数字に基づく課題抽出と具体的な改善アクション提案
施策実行後の効果検証と次のアクション設計
店舗様の課題、ご予算に合わせて、優先順を決めながら施策内容をご提案させていただきます。
6-2. こんな店舗様におすすめです
当社のサポートは、こんな課題を抱える店舗様に特におすすめです。
- オリジナル美容商材を楽天市場で本気で育てたい
- 商品力には自信があるが、販促・運営ノウハウが不足している
- 自社リソースだけでは手が回らず、専門家の力を借りたい
- 長期的にリピーターを育て、安定した利益体質を作りたい
また、コンサルティングではなく、リソース不足のサポートも行っておりますので、まずはお悩みをお聞かせいただければ幸いです。
6-3. 導入しやすい柔軟な支援プラン
サポート導入にあたっては、初めての方でも安心してスタートできる体制を整えています。
- 初回無料相談あり(現状診断と簡易アドバイス付き)
- 月額3万円〜の低コストプランから対応可能
- 商品ページ改善だけ、広告運用だけなど必要なパートだけの依頼もOK
「まずは何をすべきか知りたい」、「予算に応じて小さく始めたい」そんなご要望にも柔軟に対応いたします。
楽天市場での美容ジャンルの運営サポートならファンクションにお任せ
楽天市場にオリジナル美容商材を出品するということは、無数の商品が並ぶ広いモールの中で、自分たちだけの世界観を築き上げる挑戦です。
知名度や広告費で勝負する大手ブランドとは違い、ターゲットに寄り添い、商品に込めた想いを一つひとつ丁寧に伝えながら、「この商品にしかできない価値」を届けていく必要があります。
ターゲット設計、商品ページの設計、楽天市場内SEO、RPP広告、イベント活用、リピーター施策、どれも一朝一夕で結果が出るものではありませんが、正しいステップを踏み、地道に積み上げた先には、“価格競争に巻き込まれず、選ばれるブランド”への成長が待っています。
「うちの商品を、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」、「売れるための正しい道筋を作りたい」と感じているなら、まずは、現状の課題と目標をお聞かせください。”成果につながる運営体制の構築”をサポートいたします。

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私がこの記事を書きました

平林 玲奈
新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。