楽天市場で「型番を仕入れ販売」している店舗が“価格競争から抜け出して売上を最大化”する方法

楽天市場で「型番を仕入れ販売」している店舗が“価格競争から抜け出して売上を最大化”する方法

楽天市場で型番商品を仕入れて販売している店舗の多くが、かつては“王道”だったこのスタイルに、違和感を感じ始めています。

「以前は安く仕入れて、そこそこの価格で出せば普通に売れていた」
「でも今は、売れても利益が薄い。むしろ広告費のほうが高い」
「同じ商品を出してる競合が多すぎて、クリックすらされないこともある」

今では、型番商品を扱う店舗こそ、楽天内で最も“疲弊しやすい業態”になっているのです。価格を下げれば一時的に動く。けれど利益は出ない。広告を回せば売れる。けれど赤字になる。このループから抜け出せず、多くの店舗が“売れているのに苦しい”状況に置かれています。

一方で、同じように仕入れ販売を行っていても、しっかりと利益を残し、広告にも依存せず、売上を伸ばしている店舗があるのも事実です。その違いは「何を売っているか」ではなく、「どう運営しているか」です。

今回は、型番商品を仕入れで販売している楽天店舗様に向けて、「価格勝負」ではなく、「運営戦略」で選ばれる店」になるための実践ポイントを、課題と成功事例を交えて解説していきます。

記事の目次

1. 型番仕入れ型店舗が抱える楽天内での3大課題

楽天市場で型番商品を「仕入れて売る」店舗は、誰でも扱える反面、明確な課題と競争リスクを常に抱えています。ここでは、特に多くの店舗が直面している“3つの構造的な壁”を整理します。

1-1. 価格競争の激化「最安しか売れない」の罠

楽天内で型番商品を検索すると、ほぼ同じ写真・同じタイトル・同じ価格帯の商品がズラリと並ぶのが現状です。その中でクリックされ、購入されるのは、たいてい「最安の店舗」か「一番上に表示された店舗」。

つまり、価格で選ばれる構造に巻き込まれると、利益は削られ、広告費もかさみ、体力勝負の消耗戦に突入します。

しかも、楽天は値下げやクーポンが頻繁にあるため、最安を保ち続けるには利益の薄さに耐える覚悟が必要になります。

1-2. 「誰が売っても同じ」に見える中で、“比較されるだけ”の存在に

型番商品は、商品自体に説明力があり、違いが明確です。その反面、店舗ごとのページが似通いやすく、ユーザーには“どこで買っても同じ”に見えるという特徴があります。

この結果、多くの店舗が

  • 上位表示されなければ買われない
  • ユーザーには比較の“選択肢”にすら入れてもらえない
  • 自店の強みを訴求する前にスルーされる

という状態に陥ります。これは、どれだけ誠実に運営していても、ユーザーには伝わらないという非常にもったいない状況です。

1-3. RPP広告依存と“逆ザヤ構造”の加速

「広告を出せば売れる」という構図は間違っていません。しかし、それが“広告を出さなければ売れない”状態に陥っている場合は要注意です。

特に型番商品は、1クリック数十円〜数百円でもクリックされやすく、

  • 粗利が薄いのにCPCが高騰していく
  • 粗利を割ってでも出稿を続けてしまう
  • 「売上は伸びているが利益は減っている」状態になる

という“逆ザヤスパイラル”にハマる店舗が少なくありません。

こうした課題に対して、本質的な差別化と運営戦略の見直しを行っている店舗こそが、競合と同じ商品を扱っていても、“売れて、利益も出ている”状態を実現しています。

2. 「仕入れ型番商材」売上を伸ばすための基本戦略

型番商品を仕入れて販売する店舗にとって、競合との差別化は簡単ではありません。なぜなら、「誰が出しても同じ商品」が横並びになる構造の中で、“選ばれる理由”を自力でつくらなければならないからです。

では、仕入れ型の型番商材を扱う店舗が楽天市場で利益を残しながら売上を伸ばすために取り組むべき、6つの基本戦略を解説します。

2-1. 「なぜこの店舗で買うのか?」をページで語る

型番商品は、商品自体の魅力では差別化できません。だからこそ、「この商品を、なぜこの店舗から買うのか?」という納得感を明確に伝えることが第一歩です。

例えば、同じ電動ドリルを売っている10店舗があったとします。価格が数十円しか変わらない中で、購入者が選ぶのは「最も安心できる店」です。

差別化の例
  • 即日発送(最強翌日配送対応)
  • 独自の1年延長保証や、返品対応の丁寧さ
  • レビュー1万件以上の実績
  • 専門店ならではの知識や対応力(お問い合わせOK)

このように、ページ内で「自店が信頼できる理由」「価格以外の価値」をしっかり言語化・ビジュアル化して伝えることが、価格以外で選ばれる第一歩になります。

2-2. 価格以外の“付加価値”を商品に加える

価格勝負から抜け出すためには、「この店で買うと“得した気分”になる」という体験価値の設計が重要です。

例えば、同じイヤホンを販売していても、下記のような小さな“おまけ”があるだけで、選ばれやすさが段違いになります。

  • 収納ポーチ付き」「簡単接続マニュアル同封」
  • 「レビュー投稿で保証3ヶ月延長」

付加価値の実装例

具体的にどのような付加価値をつけるかは、商品によって異なりますが、例えば

  • 使用ガイドや接続説明を印刷 or PDFで添付(とくにガジェット類で効果大)
  • “レビュー投稿で次回使える100円OFFクーポン”の配布
  • 消耗品や乾電池などの「すぐ使える」おまけ付きセット化
  • ドライヤーやヘアアイロンの場合レビューでヘアオイルプレゼントなど関連するアイテムのおまけ

ポイントは、利益を削らずに「体験価値」を高める設計です。安さよりも「分かりやすさ」「安心感」「特典」に価値を感じるユーザーは多く、購入ハードルが下がります。

2-3. サムネイル1枚目で“違い”を伝える

楽天内で型番商品が比較される場所は「検索結果一覧」です。1枚目の画像はクリック率に大きく影響します。

ただの白背景+商品写真では、他店舗と完全に埋もれてしまいます。「何が違うか」を1枚目で“文字と構成”で視覚的に伝えることで、クリック率(CTR)とその後のCVR(転換率)も向上します。

クリック率を上げる画像構成の例
  • 「送料無料」「即納」「レビュー○○件突破」などのバッジ表示
  • 対応機種・サイズを表形式で表記(例:スマホケースやカートリッジ)
  • 他店との違いを比較表で明記(保証・付属品・発送スピードなど)
  • 背景を整えて統一感のある印象を作る(安っぽさの排除)

楽天ユーザーはスクロールしながら一瞬で判断しています。「何を売っているか」だけでなく、「なぜこの商品がいいのか」「この店舗で買うべき理由」を画像で伝える設計が求められます。

また、Googleショッピングへの露出用の画像も別途必要な場合は、必ず設定しましょう。

2-4. レビューは「商品」と「店舗」の両方を評価してもらう

型番商品では、商品ももちろんですが、商品自体のレビュー内容に差がつきにくいため、それ以上に店舗対応”に対するレビューの質と量が信用の源になります。

「発送がとにかく早い」「梱包が丁寧」「連絡がスムーズ」「問い合わせにすぐ返信があって安心できた」などのレビューは好印象に繋がり、購入意思を後押しする“安心の裏付け”となります。

レビューの“量”と“内容”は、価格よりも強い武器になります。型番商品の場合は、商品自体のレビューは既に確認済で、指名買いされる可能性も高いです、そのため、店舗に信頼がおけるか否かは、ユーザーの購買を大きく左右する1つの要因になります。

2-5. 「型番×ジャンル特化」で“専門店感”を演出する

仕入れ型で薄利な商品を多く扱う場合、何でも屋になりがちです。しかし、ユーザーは「専門性」や「目的が明確な店」を好む傾向にあります。

そのため、取り扱う商品を“型番ジャンルで区切って、特化店に見せる”ことで、大きな信頼感とリピーター獲得に繋がります。

たとえば…

  • 「プリンターインク・トナーカートリッジ専門店」
  • 「スマートウォッチアクセサリー専門店」
  • 「カー用品・ドライブグッズ専門」  など

店舗名やロゴ、カテゴリ構成、ページ説明にも一貫性を持たせることで、「あの店なら揃ってる」「またここで買おう」と思わせる仕掛けになります。

2-6. 商品数は“競争力”そのもの。取り扱い点数を増やす戦略

ユーザーの行動心理として、「どうせ買うなら、同じ店でまとめて買いたい」という傾向があります。特に楽天では、送料や買い回り条件を考慮した“効率的な買い物”をしたいユーザーが多いのが特徴です。

だからこそ、取り扱い点数の多さ=店舗としての利便性・信頼性に直結します。

商品数が多い店舗の強み

  • 複数の欲しい商品を一括購入できる → 送料が浮き、結果として安上がりになったり、利便性も高くなる
  • 同じ型番でも色違いやスペック違いを選べる
  • セット販売や同時購入提案で客単価UPが狙える
  • 楽天SEO(商品数が多いと露出が増えやすい)にも効果あり

特定のジャンルならば数百点~、複数ジャンルを跨ぐ場合は1万点規模での在庫展開を見据えた運営ができると、価格競争ではなく「利便性」で選ばれる構造をつくることが可能になります。

3. 楽天内で売上を最大化する運用戦略(仕入れ型・型番商品向け)

今までお伝えしたように、楽天市場で型番商品を「価格以外」で選んでもらうためには、ページや商品設計の工夫が不可欠です。ただし、それだけでは不十分。楽天という“モール特性”に合わせた運用(広告・イベント・回遊設計)を並行して整えることが、売上最大化の鍵となります。

この章では、楽天市場で成果を出している店舗が実践している、5つの実務戦略を紹介します。

3-1. RPP広告は“粗利ベース”で投資判断を行う

RPP(楽天プロモーションプラットフォーム)は、多くの仕入れ型店舗にとって「やらなければ売れないが、やれば赤字になる」ジレンマの原因になりがちです。

その主な原因は、粗利を見ずに広告費を投下していることにあります。

改善の第一歩は「粗利率マップ」の作成

  • 商品単価・仕入れ値・想定クリック単価から「1件の購入にいくら使えるか」を明確にする
  • 粗利率30%以上の商品に絞って広告配信を行う
  • 低単価商品は除外設定し、無駄なクリックを防ぐ

CPCの自動調整だけに頼らず「広告対象商品の選定」から見直す

  • 在庫が薄い商品には広告を出さない
  • サムネイルで差別化できている商品だけに集中投下
  • 季節要因やトレンドに合わせて対象商品を入れ替える

広告で利益を出している店舗は、「どの商品にいくら投下するか」の管理と切り替えを徹底しています。

3-2. スーパーSALE・マラソンでは勝てる商品と季節ニーズで“狙って売る”

楽天のスーパーSALEやお買い物マラソンは、型番商品を扱う店舗にとって売上加速の最大チャンスです。ただし、競合も一斉に動く中で、やみくもに値引きするだけでは埋もれてしまいます。

だからこそ、「勝ち筋商品」と「季節性需要」に照準を定めた戦略的な出品と販促設計が、成果を大きく分けるポイントになります。

戦略1.季節性・用途性のある型番商品を“特集化”

季節と生活ニーズが強く結びつく型番商品を、特集ページでわかりやすく可視化します。

  • 6月なら → 除湿器・扇風機・冷風機・紫外線対策など
  • 9月なら → 加湿器・空気清浄機・暖房器具など
  • 年末なら → 大掃除グッズ・高圧洗浄機・水回り用品など

このような季節ニーズを“比較表+選び方ガイド+おすすめ商品”としてまとめた特集ページを作成することで、
ユーザーが「自分に合う型番」を選びやすくなり、回遊・転換率の向上につながります。

戦略2.スーパーSALEのサーチ申請は「勝ち筋商品」に絞る

  • 売れ筋上位、もしくはレビューが多く評価の高い商品
  • 季節需要と一致し、かつ在庫が十分に確保できている商品
  • 他店舗より価格・特典・サムネが優位な商品

「なんとなく割引する」のではなく、“出すべき商品に絞って最大限露出させる”ことで、サーチ申請も通りやすく、ROASも良化します。

戦略3.特集ページ・LINE・メルマガをイベント前後に連動

  • スーパーSALEやマラソン直前に、対象商品の比較表や選び方ガイドをLINEで案内
  • 特集ページURLをサーチ申請にも活用し、イベント導線とSEOを両立
  • 購入後はレビュー依頼 or フォロー施策でリピーター育成へつなげる

3-3. カテゴリ設計で回遊性とセット購入を狙う導線づくり

型番商品を扱う店舗にとって、1商品1回きりの購入で終わらせるのはもったいない話です。同じジャンルの商品を多数扱っているにもかかわらず、「目的の商品を見つけたらそこで離脱されてしまう」店舗が非常に多く存在します。

ここで必要なのが、「回遊性」と「セット購入」の導線設計です。楽天市場内でのページ回遊は、CVRと客単価に直結する重要なファクターです。

ポイント1:カテゴリ設計は“購入行動ベース”で考える

型番商品は、メーカーやシリーズごとの選び方が明確であるため、ユーザーも「カテゴリを辿って選ぶ」よりも“自分の状況に合った型番を一覧で比較したい”というニーズが強いです。

そのため、以下のようなカテゴリ設計が有効です:

  • メーカー別カテゴリ(例:Panasonic/SHARP/Dyson)
  • 商品タイプ別カテゴリ(例:スティック掃除機/加湿空気清浄機)
  • 用途別カテゴリ(例:除湿・花粉対策・ペット臭対応など)

ユーザーが迷わず辿りつける「入口」を明確にし、さらにページ下部やサイドに回遊用リンクを設置することで、離脱率を抑制できます。

ポイント2:商品ページに“関連商品”を自然に埋め込む

商品詳細ページは「この商品だけを売る場所」ではなく、クロスセル、アップセルを狙う事も大切です。例えば、「この商品に使える対応バッテリー一覧」、「一緒に買われている同梱セットはこちら」、「上位モデルはこちら」等の回遊施策を意識しましょう。

これらはHTMLテンプレートで簡単に繰り返し設置できる仕組みにしておくことで、登録の手間も省けます。

✔ ポイント3:セット販売ページ・まとめ買いカテゴリの活用

商品点数が多い店舗であれば、セット購入で客単価UP・在庫回転を同時に狙う施策も非常に有効です。

  • 「同シリーズの消耗品5点セット」
  • 「複数台購入で1000円OFFクーポン対象」
  • 「法人・業務用途向けまとめ買いカテゴリ」設置

とくにBtoBニーズやリピート性のある商材(インク、バッテリー、衛生用品など)は、まとめ売りを導線化することで広告費をかけずに客単価を引き上げることが可能です。

楽天における成功店舗は、「1商品売って終わり」ではなく、“1つの来訪を次の購買につなげる仕掛け”を丁寧に構築しています。それがカテゴリ設計であり、回遊導線であり、セット販売の設計です。

3-4. レビュー投稿者にクーポン/お礼特典 → レビュー評価の質と量を強化

楽天市場で型番商品を販売するうえで、レビューは“商品そのもの”ではなく、“店舗の信頼性”を表す最強の証拠です。同じ商品を複数の店舗が扱っている中で、「なぜこの店で買うのか」を決定づける最後の一押しが、店舗レビュー・商品レビューです。

特に型番商品は、商品仕様が明確なため、レビューで語られるのは商品の性能よりも、“店舗対応”や“安心感”が中心になります。

✔ レビュー獲得のための実務施策

ユーザーは「良かった」と思っていても、自然には投稿してくれません。レビューを集めるには、導線と動機付け(インセンティブ)の設計が不可欠です。

タイミング施策内容
発送時同梱チラシで「レビュー投稿で○○プレゼント」告知
配送完了メールサンクスメールでレビューURL+クーポン進呈案内
購入者限定LINE配信「レビュー投稿者限定クーポン配布中」キャンペーンを定期実施
商品ページ商品説明下に「レビュー特典あります」バナー項目選択肢で明示

インセンティブは、数百円分のクーポンや次回使える割引、粗品(簡単なノベルティ)でも十分です。レビュー促進にかけたコストは、広告費以上のリターンとなって返ってきます。

“他の人が満足している”という事実は、何よりも強力な説得力になります。レビューの量と質を可視化することは、広告や価格よりも効果のある「買う理由の強化」です。

3-5. スマホファーストでの差別化(1枚目画像・商品画像枚数)

現在、楽天市場におけるユーザーの約8割以上がスマートフォン経由で閲覧・購入しています。それにもかかわらず、PC前提のページ構成のまま運用し、せっかくの訴求ポイントがユーザーに伝わらずに終わってしまうケースが少なくありません。

型番商品はもともと差別化しづらい商材ですが、スマホ環境に最適化された「伝え方」ができるかどうかで、クリック率(CTR)・転換率(CVR)に大きな差が出ます。

ポイント①1枚目画像は「上部1/3で完結させる」

スマホで検索結果を見ているユーザーは、文字を読むのではなく“目で流し見”しています。そのため、1枚目画像の上部に必要な訴求を凝縮することが重要です。

目に留まるサムネイル
  • 「送料無料」「即納」などの物流面の安心
  • 「レビュー〇〇件突破」「★4.8高評価」などの実績
  • 「保証付き」「セット割あり」などの付加価値
  • 季節や用途に応じた簡単な一言(例:「梅雨対策に」「今だけポイント10倍」)

これらを明朝体・ゴシック体など視認性の高いフォントで、読みやすく配置しましょう。小さなスマホ画面でも、一目で違いが伝わるかどうかが分かれ目です。

ポイント②商品画像は最低5枚以上を基本に

2025年以降、楽天のSEO(検索表示順位)において、商品画像の枚数がアルゴリズムの要素として明示的に評価対象となりました。特にスマホでは、画像で訴求できる情報量が多いため最低でも5枚以上を標準とし、それ以上を目指すのがベストです。

最低枚数での画像構成の例
  • 1枚目:差別化要素(送料無料/保証付きなど)
  • 2枚目:商品スペックやサイズ・対応機種などの情報整理
  • 3枚目:用途・使用シーンのイメージ画像
  • 4枚目:セット内容・付属品の明示
  • 5枚目:安心・信頼を伝える実績やレビュー抜粋
  • 6枚目以降:特典紹介・ランキング受賞歴・他モデルとの比較など

画像枚数が多い=情報が豊富=安心できる店舗と見なされやすく、CVRだけでなく検索順位改善にも貢献します。

ポイント③スマホで読まれる構成にページ全体を見直す

スマホでは、縦スクロールで流し読みされる前提でページ設計を行う必要があります。特に注意したいのが「ファーストビュー直下に“信頼の要素”をまとめる」ことです。

特に文字サイズや画像の大きさを気を付け、画像で完結する要素を増やし、テキストは「短く・分かりやすく・見出し付き」でまとめるのがベストです。基本的に細かい説明文は流し見される前提で、伝えたい事は見出しのような位置づけで記載するようにしましょう。

楽天で“価格だけではない勝負”をするには、スマホで「違い」が伝わるかどうかが極めて重要です。これはいわば、1商品ごとのSEO対策であり、最もCVRに影響を与える販促設計です。

4. 成功/失敗事例と要因分析(弊社支援事例)

楽天市場において、型番商品を「仕入れて売る」というビジネスモデルはシンプルな反面、運営戦略の有無で成果に大きな差が出ます。

ここでは、弊社が実際に支援した複数の店舗における「成功例」と「伸び悩んでいた失敗例」から、売上が大きく変わった要因の違いを分析しながらご紹介します。

4-1.成功事例:戦略的運営で半年で売上2.3倍を達成した店舗

【業種】

生活家電(除湿器・加湿器・空気清浄機・関連消耗品)

主な施策と成果

  1. 季節ごとに「注力商品」を切り替える柔軟な販売戦略
     → 6月は除湿器、10月からは加湿器・ヒーターに等、季節ごとに注力商品を変更。
     → 特集ページもシーズンごとに刷新し、LINEやメルマガで訴求。
  2. 季節商材には「比較ができる特設ページ」を設置
     → 例えば「畳数別除湿器の選び方」「音の静かな加湿器ランキング」など。
     → 商品スペックを表形式で比較でき、選びやすく購入率UP(CVRが平均1.8倍に)。
  3. アップセルを狙った“関連提案”の自動化
     → 商品ページ下部に、上位モデルやセット商品の導線を自動表示。
     → セット販売やバンドル提案によって客単価が1.2倍に増加。
  4. 消耗品リマインドでLTV最大化
     → フィルター・替え芯などの使用期限に合わせて、メルマガで再購入リマインド
     → 定期購入化は難しくても、「忘れられない店」になることでリピート率が約16%向上。
  5. RPP広告の“絞り込み運用”と粗利管理の徹底
     → 商品ごとの粗利率×競合分析×季節性をもとに、広告投下商品を毎月見直し。
     → 粗利が低くCVRも弱い商品は除外、売れ筋だけに予算を集中。
     → 広告費の無駄打ちが大幅に減り、ROASが1.6倍に改善

「競合分析・市場分析」の重要性

仕入れ型の型番商品は、“誰が扱っても同じ”という前提があります。そのため、競合がどの価格帯で、どんな特典・サムネ・レビューを武器にしているかを把握していなければ、自店舗が戦えるポジションを見失い、価格競争に巻き込まれるリスクが極めて高くなります。

また、楽天市場内での検索トレンドやランキングの変化を月単位で追うことで、「次に来る需要」に早めに着手できる=セール時の準備力と成果が大きく変わる点も見逃せません。

競合調査を怠れば、“良い商品”を持っていても売れず、市場調査を怠れば、“需要の波”に乗れずに埋もれます。

この店舗では、広告と商品の「勝ち筋」を見極め、動くべきところに集中して動けたことが、最大の成功要因でした。

4-2.失敗する店舗の傾向

では、仕入れ型番を取り扱う店舗が行いがちな運営傾向はどのようなものでしょうか。以下が失敗店舗に共通する項目です。当てはまっていないかチェックしてみてください。

1.戦略なき商品拡充 → 在庫が分散・売れ筋が埋もれる

  • 仕入先任せで商品数だけを拡大
  • 商品ページが粗く、1枚目画像も訴求力がないものばかり
  • 類似商品が複数あっても、カテゴリ設計・回遊導線が不在
  • 結果、全体の7割が“売れても利益が出ない”か“動かない在庫”に

広告投下の基準が曖昧 → 売上は出るが利益は赤字

  • RPP広告を「とりあえず全部に出す」方針で運用
  • 売れている商品の多くが、広告費>粗利の“逆ザヤ商品”
  • 商品単価5,000円未満の商材にもCPCが高く、赤字が膨らむ
  • CPA(1件獲得単価)を計算しておらず、止め時も見えなかった

レビュー・顧客フォローの不在 → 店舗としての信用が積み上がらない

  • 商品レビュー任せで、レビュー依頼や特典施策なし
  • お客様対応もテンプレート的で、リピートや指名買いには至らない
  • 店舗レビューも少なく、競合に埋もれていく状況に

楽天イベント=値引き勝負と思い込み → サーチ申請も通らず空回り

  • スーパーSALEやマラソンでも、特に注力商品を定めず
  • 特集ページの仕組み化がなく、離脱率が高い

4-3.成功と失敗を分けた“決定的な違い”の比較表

視点成功店舗の取り組み失敗店舗の取り組み
商品戦略季節ごとに注力商品を明確に設定し、特設ページやLINEと連動通年同じ商品構成で出しっぱなし。売れる時期と売れない時期の差が激しく、在庫偏在が起きていた
比較・選びやすさスペック・価格の比較表やランキング付き特集ページを設置し、CVR改善商品ページが単品売り中心で、比較情報が乏しく、ユーザーが“選べない”状態になっていた
アップセル・単価向上関連商品や上位モデルへの導線、セット販売カテゴリで客単価1.3倍に商品点数を増やしただけで、ページ下部は未活用。1点購入で終了するユーザーが大半
リピート設計消耗品にリマインド配信、LTV向上策を導入。再購入率+9%リピート施策なし。レビュー促進も行っておらず、初回客が店舗を覚えていない
広告運用粗利×競合×季節性を分析し、勝てる商品に広告集中。ROAS改善とコスト削減を両立粗利を考慮せず一律で広告配信。売れても逆ザヤ、広告費だけが増えてキャッシュが逼迫
競合分析・市場調査価格帯・特典・レビュー数・検索トレンドを毎月チェック。出品戦略とページ設計に反映他店舗の動きは見ておらず、“なんとなく売れそう”で商品を選定。特典や訴求力で大きく劣後していた
レビュー・評価構築レビュー投稿者にクーポン提供。レビュー内容をサムネ・説明文にも活用し、信用の見える化商品は売れていたが、レビュー対策をしておらず評価数が少ない。サムネに反映もされておらず競合に埋もれがち
ページ設計スマホ前提の1枚目設計、画像5枚以上でSEO対策も強化PC前提ページを流用。画像枚数も3枚程度で、商品理解・差別化が弱い

このように、成功店舗は「選ばれる仕組み」と「利益を出す構造」を同時に整えているのに対し、失敗店舗は「売れる商品を出せば売れるはず」という思い込みから抜け出せず、運営の仕組み化が不十分なまま走っていたことが明暗を分けたポイントです。

5.仕入れ型番商品販売のよくある質問

仕入れで型番商品を取り扱っている店舗様より、よくいただく質問についてまとめました。

仕入れ型で利益を出すのが難しく感じています。やはり型番商品は儲からないのでしょうか?

適切な戦略があれば、型番商品でも利益は十分に出せます。
利益が出ない最大の原因は「仕入れ価格と広告費、価格設定のバランスが崩れていること」です。
まずは粗利率と広告単価(CPC)を見える化し、利益が出る商品を見極めて集中運用することが重要です。
さらに、レビュー施策や関連商品とのセット販売で客単価を引き上げる工夫を加えることで、「安い商品で数を売る」以外の戦い方が可能になります。

スーパーSALEやマラソンに出ているのに、思ったより売れません。原因は何でしょう?

施策が「出ることを目的」に止まっている可能性があります。
イベントで成果を出すには、“勝てる商品を選び、勝てる設計を整えてから出す”ことが必須です。
サーチ申請の通過率を上げるには、レビュー・価格・在庫・画像などの事前設計が鍵ですし、
ユーザーの購買行動を動かすには「事前LINE告知」や「比較ページ」など周辺施策の連携が効果的です。
“売り場に出す”だけでなく“売れる構造”を作れているかが、結果の差を生みます。

競合店舗の情報はどうやって分析すればいいですか?

楽天市場内での検索結果・レビュー・ランキング・広告表示から、多くの情報が読み取れます。たとえば

  • 「型番名」で検索し、上位表示される店舗の価格・特典・レビュー数を確認
  • 1枚目画像の訴求内容を比較し、自店との違いを洗い出す
  • RPP広告でよく表示される商品を見て、楽天がどの商品を評価しているかを推測
  • 楽天ランキング市場を見て、“今売れている型番”と価格帯の傾向を把握

これらの情報を週1回~月1回のルーティン化することで、「価格を下げずに勝てるポジション」をつかむ判断材料になります。弊社では売れている店舗のキーワードや価格の推移、自社の商材の検索順位変動等を日々マークする事も可能です。無料でご使用頂けますので、ぜひお問合せ下さい。

RPP広告はやった方がいい?いつ止める判断をすればいい?

「やるべきか」ではなく、「どの商品に、いくらまで投下すべきか」で判断するのが正解です。

RPP広告は楽天において“必須に近い集客手段”ですが、全商品に広く投下すれば赤字化のリスクが非常に高くなります。そのため、以下のような基準で「投下/停止」の判断を行うのが現実的です。

RPPを継続すべき商品

  • 粗利率が30%以上ある
  • 過去にCVRが2.0%以上出ている
  • サムネイルが強く、レビューや特典も充実している
  • 季節性やランキングなどで波がきている

RPPを止めるべき商品

  • CPA(1件獲得単価)が粗利を上回っている
  • クリックは多いが、CVRが1%以下で推移している
  • 画像や特典が弱く、比較されて選ばれない状態になっている

広告は“回すこと”ではなく、“利益を出すために運用すること”が目的です。管理画面でのCPA・CVR・粗利の3指標を可視化し、月次でON/OFFの切り替えができる体制を整えることが重要です。

競合より価格が高くても売れる例は本当にあるの?

はい、あります。価格ではなく“納得”で選ばれる要素があれば、多少の価格差は問題になりません。

ユーザーが価格以外に求めているのは、「安心・スピード・保証・対応・信頼」です。
型番商品であっても、以下のような価値を提示することで実際に“高いのに売れている”店舗は存在します。

実際に売れている“価格以外の価値”の例

  • 即日発送&時間帯指定可
  • 1年間の延長保証付き(レビュー投稿で付与など)
  • 商品知識のあるスタッフが在籍しており、電話・チャットで対応可能
  • サムネイルで「レビュー★4.8超え」「楽天ランキング1位受賞」など実績を明示
  • 関連品や使い方ガイドなどが同梱されており“初心者にやさしい”印象

価格だけの勝負から抜け出すには、“この店舗で買うべき理由”を商品ページにしっかりと構築することが条件です。

6. ファンクションができるサポートとは?

楽天市場において、仕入れ型の型番商品で売上と利益を両立させるには、「商品力」だけではなく、“売れる仕組み”を構築・運用し続けることが鍵になります。

ファンクションではこれまで、数多くの型番商品を扱う楽天店舗の支援を行ってきました。その中で培ってきた知見と仕組みを、実務レベルでサポート致します。

サポート一覧

項目提供内容の一例
商品戦略・市場分析支援・粗利/季節性/競合価格をもとに、注力すべき商品を選定
・商品選定方針の設計/仕入れの優先度整理
商品ページ改善・スマホ最適化(1枚目画像・商品名・価格下テキスト)
・5枚以上の画像構成アドバイス/差別化訴求の強化
広告運用最適化・粗利別の広告可否診断/RPP対象商品選定
・CPC見直し・除外設定・ROAS改善提案
カテゴリ・回遊設計・ジャンル別/用途別のカテゴリ再構成
・関連商品導線/セット販売の導線設計
イベント活用・特集設計・スーパーSALE/マラソン施策の構築(サーチ申請含む)
・特集ページ・比較ページの設計アドバイス
レビュー・リピート施策・レビュー獲得導線/投稿特典の設計
・消耗品などのリマインド設計/LINE配信設計
分析・月次レポート・アクセス/CVR/広告効果の月次レポート
・次月優先施策と改善案のご提示
内部運用の仕組み化支援・出品フロー、在庫連携、特価施策、広告ON/OFFなど
・「スタッフが回せる運用体制」の構築支援

「広告を回しているのに利益が出ない」「商品はあるのに選ばれない」「何から改善すべきか分からない」、そんなお悩みに対して、方針だけでなく、具体的な“手の動かし方”までご提案、サポート致します

楽天店舗運営を“仕入れて並べるだけ”から、 「選ばれ、利益が残るビジネス」へと変えていきたい方は、ぜひご相談ください。

7. まとめ│価格勝負から脱却し、“選ばれる型番店舗”へ

仕入れ型の型番商品を楽天市場で販売するうえで、かつては「品ぞろえ」「価格」「広告」で勝負するスタイルが主流でした。しかし今、価格以外で“選ばれる理由”を持たない店舗は、確実に苦戦する時代に入っています。ポイントは

  1. 季節性を捉えた商品戦略と回遊設計
  2. スマホに最適化された商品ページの作り込み
  3. レビュー・広告・メルマガを活用した顧客獲得
  4. 「誰から買うか」を意識させるブランディング的な施策

これらを正しく組み立てることで、競合より高くても選ばれ、利益が残る店舗運営は十分可能です。

型番商品だからこそ、「今、楽天市場で何が評価されるのか」「自店舗は何を強みにすべきか」その視点を持ち、戦略と実務の両輪で改善に取り組む必要があります。

ファンクションは、ただの「売上アップ」ではなく、“利益が残る楽天店舗”への変革を、実務レベルで支援しています。

売上はあるのに利益が残らない・商品はあるのに選ばれない・改善の方向性に悩んでいる店舗様は、まずは一度、現状をご相談ください。“価格ではなく価値で勝つ運営”を、提案・サポート致します。

課題の根本原因をデータで徹底分析、抜本的改善案をご提案します。

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    私がこの記事を書きました

    平林 玲奈

    平林 玲奈

    新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。

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