季節イベントを味方にして、爆売りしよう|成功店舗の共通点

季節イベントを味方にして、爆売りしよう|成功店舗の共通点

楽天には、母の日・父の日・お中元・敬老の日・ハロウィン・クリスマス・年末年始など、年間を通じて売上を大きく伸ばす“季節イベント”が豊富にあります。

多くの店舗がこれらのイベントで短期的に売上を上げようとしますが、実は“イベントをどう活かすか”が、年間を通した安定成長の分かれ目です。

イベントを「その時だけの販促」として終わらせてしまう店舗と、「年間戦略の一部」として計画的に活用する店舗とでは、売上の伸び方がまったく異なります。

今回は、楽天の季節イベントを“爆発的な売上”と“安定した再現性”の両立につなげるための考え方を解説します。

楽天の季節イベントは“年間売上の要”

楽天の年間販売カレンダーを見ると、実に多くの大型イベントが組み込まれています。母の日・父の日・お中元・お歳暮・年末商戦・バレンタイン、これらの時期は、ユーザーの購買意欲が高く、検索ボリュームや転換率も大幅に上昇します。

そのため、イベント期間中の売上が年間売上の30〜40%を占める店舗も少なくありません。しかし、重要なのは「イベントでどれだけ売るか」ではなく、“イベントでどれだけ次につなげられるか” です。

成功している店舗ほど、以下のように年間を俯瞰して設計しています。

  • 年間販促カレンダーを作成し、各イベントを「季節ごとのテーマ施策」として位置づける
  • 1〜2ヶ月前から在庫・ページ・広告を逆算で準備
  • イベント後のレビュー・フォロー・再購入導線を必ず設計

つまり、楽天のイベントとは“短期戦ではなく年間設計の柱”。売上の山を作るのではなく、「山を積み重ねて年商を伸ばす」発想が求められます。

成功店舗の共通点は、“イベントが終わった瞬間に次の仕込みが始まっている”こと。

これができている店舗ほど、年間を通して右肩上がりの成長を維持しています。

成功店舗に共通する3つの準備ステップ

イベントの成果は、実は始まる前にほぼ決まっています。準備の早さと精度が、イベント当日の売上を左右します。

売れている店舗ほど、“イベント1ヶ月前にはほぼ戦略が完成している”のが実情です。ここでは、年間を通して成果を上げている店舗に共通する3つの準備ステップを紹介します。

① イベントごとの“購買心理”を理解して商品設計を行う

季節イベントと一口に言っても、購入者の心理や目的はまったく異なります。成功している店舗は、この「心理の違い」を読み解き、商品構成や訴求を細かく調整しています。

たとえば

  • 母の日/父の日:贈り物としての“気持ち”が中心。
     →「ありがとうを伝える」「家族で楽しむ」など、感情訴求を前面に。
  • バレンタイン/ホワイトデー:かつてはギフト中心、今は“自分へのご褒美需要”が拡大。
     →「自分へのご褒美」「SNS映え」などの世界観を強化。
  • お歳暮/年末商戦:実用品・グルメなど“失敗しないギフト”が主流。
     →「品質保証」「のし・発送日明記」で安心感を打ち出す。

つまり、「誰が」「どんな気持ちで」「何を買うのか」を理解した上で、商品ページやバナーのメッセージを設計することが鍵です。

感情に寄り添う訴求ができる店舗は、同じ商品でも購入率が1.5〜2倍変わります。

② 3〜4週間前から「検索・広告・在庫」を仕込み始める

楽天のSEOや広告反映にはタイムラグがあるため、イベント直前に動いても成果が出にくいのが現実です。

商品登録(更新)から検索反映までは約7〜10日、RPP広告のクリック率や入札調整の最適化にも1〜2週間かかります。

したがって、イベント成功のためには“遅くとも3〜4週間以上前から準備を始める”のが鉄則です。早い店舗さんは2か月以上前方仕込みを行うケースもあります。

具体的には以下のスケジュール感が理想です。

時期準備内容
イベント4週間前対象商品の選定・ページ改修・在庫確保
イベント3週間前SEOキーワード・商品名最終調整・広告設定
イベント2週間前バナー・クーポン・特設ページの整備
イベント1週間前告知投稿・LINEメッセージ・メール配信準備

この「前倒し準備」ができている店舗は、イベント初日から検索上位に入り、クリック単価を抑えて売上を伸ばせます。

③ ギフト訴求とレビュー信頼の掛け合わせ

楽天のイベントでは、“安い”よりも“安心して贈れる”ことが重要です。特に母の日・お中元・敬老の日などのギフト系イベントでは、購入者が「贈る相手に喜んでもらえるか」を重視します。

そのため、成功店舗は以下のように“安心感”を作り込んでいます。

重要POINT
  • ラッピング・のし・メッセージ対応を明記(商品ページ・画像の1枚目に)
  • 「お届け日指定OK」「本日○時まで当日発送」で信頼を補強
  • レビュー数・評価を1枚目に掲載し、“選ばれている理由”を可視化

さらに、レビューの中で「母が喜んでくれた」「贈って良かった」といった“感情ワード”を拾って訴求に反映させることで、他店との差別化が加速します。

価格ではなく「安心」と「信頼」で選ばれる店舗が、イベント競争を制しています。

準備段階でこれら3つを整えるだけで、イベント当日の動きがスムーズになり、広告効率も、ページ滞在率も格段に向上します。

イベント当日にやるべき販促施策

楽天の季節イベントでは、ラスト2日間当日も売上が動きます。その理由は、楽天ユーザーの購買行動にあります。

“うっかり買い忘れた層”や“翌日配送でまだ間に合う層”の駆け込み需要も発生。特に「最強翌日配送対応商品は、検索結果で優遇され、「今日注文すれば明日届く」訴求が強烈な購買トリガーになります。

つまり、楽天における“当日”とは、イベント商戦の最終勝負日。ここでどれだけ取り切れるかが、全体売上の伸びを決めます。

では、ラスト2日間にどんな施策を打てば、最終日の波を最大限に活かせるのか。ここから、成果を伸ばしている店舗が実践している4つの具体策を紹介します。

① RPP広告とクーポンで“最後の一押し”をかける

イベント終盤は、競合店舗も広告出稿を強めてきます。入札単価(CPC)が上昇しやすい一方、このタイミングで露出を落とす=最後の売上機会を逃すことを意味します。

CHECK
  • イベント前日〜当日はRPP広告を20〜30%程度上乗せし、露出維持を優先
  • 当日限定の「ラストチャンスクーポン」「〇時間限定クーポン」を配布
  • 商品名・1枚目画像に「本日最終日」「今日までクーポン」を明記

“当日限定感 × クーポン” は、楽天ユーザーの購買心理に最も刺さります。

② ランキング・レビュー訴求で“選ばれている安心感”を伝える

イベント最終日は、比較購買が集中するタイミング。多くのユーザーが“ランキング”や“レビュー数”を基準に購入を決めます。

  • 商品タイトル・画像1枚目に「楽天ランキング〇位受賞」
  • レビュー件数・★評価を視覚的に表示
  • 「購入者の声」バナーを設置

など、“他の店舗より信頼できる”印象を可視化することが重要です。

レビューが少ない商品は、当日特にクリック率が落ちやすいため、イベント前のレビュー依頼・掲載更新もセットで準備しておくと効果的です。

③ 「最強配送」対応+在庫表示で安心感を演出

イベント終盤で最も効果を発揮するのが、「翌日配送ができる」表示です。

楽天では、「最強翌日配送(あす楽)」対応商品が検索上位に表示されやすく、“まだ間に合う”という心理的安心感から、CVR(購買率)が大幅に向上します。

また、在庫数表示も重要です。「残りわずか」「あと〇点」などの表記は、購買意欲を刺激するだけでなく、「今買えば確実に届く」という確信を与えます。

CHECK
  • イベント対象商品だけでも「最強翌日配送」に対応する
  • 商品ページ上部に「〇時までのご注文で明日お届け」明記
  • 在庫管理をリアルタイム連動し、“売り切れ不安”を演出

「最強配送+在庫安心表示」=当日売上を伸ばす最強コンボ。

④ “5と0のつく日”を販売ピークとして設計する

楽天では、「5・10・15・20・25・30日」は“5と0のつく日”としてポイント倍率が上がります。この日がイベント期間中に重なる場合、売上の山場が2倍近く跳ね上がることも珍しくありません。

実際、楽天の売上構成を分析すると、「イベント期間中の売上の50〜70%が“5と0のつく日”に集中」している店舗もあります。

そのため、

  • その日に合わせてクーポンを追加配布
  • RPP・クーポン・メルマガを同日に集中投入
  • 商品ページで「本日ポイント5倍」バナーを最上部に配置

することで、最大効率で売上を伸ばせます。

「イベント当日」は、“終わりの日”ではなく“最終加速日”。ここでしっかりと最後の2日間を設計できるかどうかが、イベント全体の売上を30%以上左右するといっても過言ではありません。

イベント後のフォローで“次の売上”につなげる

イベントが終わると、多くの店舗が“燃え尽き”のように一度活動を止めてしまいます。しかし、楽天においてはこの「イベント後1週間」こそが、売上を安定化させる最重要フェーズです。

イベント期間中に流入した新規顧客は、「価格・ポイント・勢い」で購入しているケースが多く、フォローをしなければ他店舗へ簡単に流れてしまいます。逆に、この直後に適切なフォローを行えば、次のイベントで“常連客”として戻ってくる可能性が一気に高まります。

ここからは、イベント後のフォローで売上を持続させるための3つのアクションを紹介します。

① フォローメールで購入体験を「信頼」に変える

イベント後にまず行うべきは、「ありがとう」を伝えるフォローメールです。購入直後の満足感が残っているうちに、お礼と次へのきっかけを届けましょう。

フォローメールの役割は「売り込み」ではなく「関係構築」。ここで心の距離を縮めることができれば、再購入率は大きく変わります。

CHECK!
  • メールは到着後3〜5日を目安に送る
  • “レビュー依頼+お礼クーポン”をセットにする
  • テンプレではなく“人の言葉”を感じさせるトーンに
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② 同梱物で再購入のきっかけをつくる

“購入体験の最後の3秒”が、次回購入の印象を決めるともいわれるほど、お客様が商品を開封する瞬間は、店舗にとって“唯一のリアル接点”です。このタイミングで「気持ちの良い体験」を提供できれば、リピートにつながります。

成功店舗は、同梱物を「販促ツール」ではなく「関係構築ツール」として活用しています。

CHECK!
  • 商品と一緒に「ご購入ありがとうございます」メッセージを添える
  • 「次回使えるクーポン」や「人気商品の紹介」を1枚のチラシにまとめる
  • 消耗品の場合は「なくなる頃の買い足し案内」を入れておく
  • QRコードでLINE登録・レビュー投稿への導線を設置

温かみのあるチラシ1枚が、何千円分もの広告効果を生み出します。

③ LINE・メルマガで“関係を継続”する

イベント後に顧客との関係を途切れさせないためには、継続的な接点が不可欠です。その中心になるのが、LINEとメルマガです。

ポイントは、“販売告知”ではなく“顧客との関係維持”を目的にすること。フォロワー限定の情報やお礼メッセージを通じて、店舗を「身近な存在」に変えます。

これにより、イベントを点ではなく線でつなぐことができます。

CHECK!
  • イベント後1週間以内に「感謝+限定特典」の配信を行う
  • 通常配信は「情報7割:販促3割」のバランスで信頼を維持
  • 次のイベント(例:母の日→父の日)を意識した連携メッセージを設計

イベント後の顧客フォローは、「終わった後の作業」ではなく、次のイベントを成功させるための“最初の仕込み”です。ここを丁寧に行える店舗ほど、イベントごとに売上のベースが積み上がっていきます。

まとめ│季節イベントは“単発勝負”ではなく“年間戦略の柱”

楽天の季節イベントは、単なる売上ピークではなく、店舗の成長を年間で積み上げるための軸 です。

母の日・父の日・年末商戦・バレンタイン、どのイベントも「仕込み・当日・フォロー」の3ステップを仕組み化できれば、そのたびに新しい顧客が増え、既存顧客との関係も深まります。

成功している店舗は、イベントを“点”で捉えず“線”で設計しています。一つのイベントを終えたら、次のイベントへの準備が始まっており、この循環をつくれるかどうかが、長期的な売上安定を決める分岐点です。

イベントで得た一度きりの売上を、「リピート」「次の購買」「年間成長」へと転換する。これこそが、楽天運営における真の成功パターンです。

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私がこの記事を書きました

平林 玲奈

平林 玲奈

新卒で楽天株式会社に入社し、レディースファッションジャンルのECコンサルタント、靴ジャンルの立ち上げに従事。その後、楽天市場に出店するメーカー企業へ転職し、楽天店舗責任者として売上拡大に貢献。就任半年で月商200万円だった店舗を月商1,000万円まで成長させる。 ファンクションに入社後は、ECコンサルタントと店舗運営者の両方の視点を武器に店舗支援に尽力。その後、役員に就任、店舗様の成長を第一に考えながら戦略的な運営支援を行う。楽天一筋15年以上の経験と確かな実績をもとに、楽天市場での売上拡大を目指す企業の成長を支援。

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